ペトロの回復B
1.イエスはペトロをとがめなかった
ペトロは、「イエスを知らない」と3回も否定してしまいました。
しかしそこから、見事に回復しています。
回復の大きな要因の3番目は、イエスの語りかけにありました。
十字架で死なれて三日目に復活されたイエスは、ガリラヤ湖畔で弟子たちと会います。
もちろんそこに、ペトロもいました。
イエスはペトロに対して、次のようには言っておられません。
「私の言った通りだっただろう。おまえは私を3度も否定した」
「おまえは、自分のことを買いかぶり過ぎなのだ。」
「おまえは、自分で考えているよりも弱くて保身に走りやすいのだ」
2.イエスはペトロに「愛するか」と問いかけた
そのような裁きの言葉や、罪や弱さを指摘するような言葉ではなく
ペトロに、ご自身に対する愛を問いかける言葉を語るのです。
「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と語ったのです。
食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、
「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。
ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」
と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。
ヨハネによる福音書 21章15節
ペトロはその言葉に応じて、語ります。
「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」
するとイエスは何と「わたしの小羊を飼いなさい」と大切な使命を与えるのです。
3.イエスはペトロに3度問いかけられた
このやり取りが、ペトロがイエスを否定した回数と同じ3回繰り返されます。
二度目にイエスは言われた。
「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」
ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」
と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。
ヨハネによる福音書 21章16節
2度目の言葉は、「小羊」が「羊」に代わっているのと
「飼いなさい」が「世話をしなさい」に代わっているのが違うだけで
ほぼ同じです。
三度目にイエスは言われた。
「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」
ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。
そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。
わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」
イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。
ヨハネによる福音書 21章17節
3度目の言葉は、「世話をしなさい」が「飼いなさい」に戻っているのと
「愛しているか」の言葉が、「アガパオウ」ではなく「フィレオウ」に代わった所が
違っている点ですが、ほぼ同じです。
むすび.イエスはペトロにご自身を愛することを求められていた
ペトロは、このイエスの問いかけによって回復しているのですが
イエスがペトロに要求されていたのは、イエスを愛する事でした。
自分の失敗に目を止めてくよくよ悩むのではなく、それを赦して下さるイエスに目を止めて
イエスを愛する事、これこそがペトロにとって最も必要な事だったのです。
弱く罪深い自分を見つめるのではなく、そんな自分を限りない愛で愛してくださっている
イエスを見上げて愛する事、これこそがペトロを回復させた大きな要因だったのです。
【今日の聖書】
三度目にイエスは言われた。
「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」
ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。
そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。
わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」
イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。
ヨハネによる福音書 21章17節