行きたくないところへ連れて行かれる
イエスは、ペトロの将来を予告しておられます。
「はっきり言っておく。
あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。
しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、
行きたくないところへ連れて行かれる。」
自分の行きたくない所へ、連れて行かれることになるというのです。
ペトロが、すぐには殉教などで死なずに年をとるまで生きること
けれどもその時にはもう、自由に行きたいところへは行けなくなること
かえって自分の行きたくない所へ連れて行かれることになること、が告げられるのです。
ペトロがこのように自分の人生について、あらかじめ知っておくことは
彼にとって、必要な事だったのです。だからあえてイエスは、ペトロに語られていたのです。
ペトロはやがて、ヘロデ王によって捕縛され投獄されてしまいますが
その時牢獄の中でも、ペトロはぐっすりと寝ていました。
「自分はこんなに早くは死ぬことはない」と、イエスによって予告されていたことも
ペトロに「大丈夫だ、殺されることはない」という確信と平安をもたらした一因だったのでしょう。
イエスの語られる言葉の一つ一つには、ちゃんと意味があったのです。
語っても語らなくても良いようなことを、語ったのではなく
語っておかなければならないことを、語られていたのです。
【今日の聖書】
はっきり言っておく。
あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。
しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、
行きたくないところへ連れて行かれる。」
ヨハネによる福音書 21章18節