イスカリオテのユダの言葉の裏側
あるとき、マルタの妹のマリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を
一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐいました。
家は香油の香りでいっぱいになったといいます。
そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を
一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、
自分の髪でその足をぬぐった。
家は香油の香りでいっぱいになった。
ヨハネによる福音書 12章3節
その時、イスカリオテのユダはマリアに対してこのように言っています。
「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」
ヨハネによる福音書 12章5節
一見、正しい意見のように思えます。
三百デナリオンといえば、当時の年収のような額のお金です。
どれほど多くの貧しい人たちを、助けることができた事でしょうか?
それを一瞬にして、注ぎだして使ってしまったのです。
「あーもったいない!」という思いは、誰もが持っていたのではないでしょうか?
しかしイスカリオテのユダはこの時、貧しい人のことなど少しも考えていなかったのです。
彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。
彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。
ヨハネによる福音書 12章6節
イスカリオテのユダが、こう言ったのは、
貧しい人々のことを心にかけていたからでは、なかったのです。
彼は金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからそう言ったのです。
言っている事と、腹の中がまったく違っていたわけです。
思ってもいなかったことを、あたかも貧しい人を憐れむ善人のような振りをして
語っていたのです。ユダが、偽りの人だったことがわかります。
しゃあしゃあと嘘を言う、嘘つきだったのです。
外側の言動と心の内側が違うという、二面性をもつ人物だったのです。
うわべだけで判断する人は、彼の言うことは立派なことだと誤解したことでしょう。
実は、すべての人がこうなる可能性を持っているのです。
そうならないように、今日も主に祈り求めていきましょう。
主が、必ず助けて下さるのです。
【今日の聖書】
だから、偽りを捨て、それぞれ隣人に対して真実を語りなさい。
わたしたちは、互いに体の一部なのです。
エフェソの信徒への手紙 4章25節