命がけのエステル
 クセルクセス王が、インドからクシュに至るまでの広範な領域を治めていた時代
 王宮の内庭にいる王に、召し出されずに近づく者は、
 男であれ女であれ死刑に処せられる、と法律の一条に定められていました。
 ただ、王が金の笏を差し伸べる場合にのみ死を免れることになっていました。
 ある日エステルは、王に召し出されたわけでもなかったのに
 王妃の衣装を着け、王宮の内庭に入り、王宮に向かって立ちました。
 金の笏が王から延ばされない限り、死刑になるそういう行為でした。
 しかしエステルは、命がけで王宮の内庭に入り、王宮に向かって立ちました。
 命がけで王の前に立ったのです。それは同族のユダヤ人を救うためでした。
 友のために自分の命を捨てること、
 これ以上に大きな愛はない。
 ヨハネによる福音書 15章13節
 これをエステルは、実行に移しました。
 しかし王が、金の笏をエステルに向かって伸ばしたので
 エステルは死ぬことはありませんでした。
 人を救い出すために命がけになる、これがエステルの行動だったのです。
 
【今日の聖書】
 それから三日目のことである。
 エステルは王妃の衣装を着け、
 王宮の内庭に入り、王宮に向かって立った。
 王は王宮の中で王宮の入り口に向かって王座に座っていた。
 エステル記 5章1節