イエスは眠っておられた
1.イエスは嵐の湖の舟の中で眠っておられた
湖に激しい嵐が起こり、イエスと弟子たちが乗った舟が
波にのまれそうになった時、イエスはその舟の中で眠っておられました。
波にのまれそうになる程の嵐の湖の上で、舟は相当揺れていたはずです。
舟の中に、降りかかる波や風に飛ばされた水も相当降りかかってきていたはずです。
風の音も、激しい嵐と言うことですから相当なものだったと思われます。
にもかかわらず、イエスはその舟の上で眠っておられたのです。
本当は起きていて、寝たふりをしていたわけではないでしょう。
嵐の舟の中でも起きないで、ぐっすり寝ておられたということは、
イエスは、相当疲れておられたのではないでしょうか?
2.ヨナも嵐の海の船の中で寝込んでいた
同じように嵐の中で寝ていた人物で思い起こされるのが、ヨナです。
船乗りたちは恐怖に陥り、それぞれ自分の神に助けを求めて叫びをあげ、
積み荷を海に投げ捨て、船を少しでも軽くしようとした。
しかし、ヨナは船底に降りて横になり、ぐっすりと寝込んでいた。
ヨナ書 1章5節
ヨナも、大風で大荒れとなった海の上で波に翻弄されて
今にも砕けんばかりとなった船の船底で、ぐっすり寝込んでいました。
この時のヨナも、おそらく疲れ果てて眠くて仕方がなかったのでしょう。
船長はヨナのところに来て言った。
「寝ているとは何事か。さあ、起きてあなたの神を呼べ。
神が気づいて助けてくれるかもしれない。」
ヨナ書 1章6節
船長から起こされるまで、ヨナは起きなかったのです。
3.神の子イエスは完全に人の姿を取られたお方
イエスは神の子ですが、完全に人間の姿を取られたお方です。
その姿は、まったく人と変わらなかったのです。
食べなくても平気、寝なくても平気というわけではありませんでした。
人間と同じように激しく動けば疲れを感じ、睡眠をとって休む必要があったのです。
嵐の中でも起きずに、舟の中で眠っておられたということは
それほどイエスの働きが、過酷だったことを物語っています。
イエスは言われた。
「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。
だが、人の子には枕する所もない。」
ルカによる福音書 9章58節
イエスは「わたしには枕するところもない」と、言われています。
ゆっくり休む所もなく、次から次へと町々村々をめぐって神の言葉を語り、
病気をいやし、悪霊を追い出し、反対者を論破し続けておられたのです。
むすび.人となられたイエスは力を尽くして働いておられた
神の愛は、中途半端ではありません。
それは限りなく大きな、ワイルドな愛です。
たとえ自分が死んでも私たちを生かす、命がけの愛なのです。
それほどまでに、私たちは愛されているのです。
十字架の愛が、それを見事にあらわしていますが
イエスの地上生涯の歩みも同じです。
福音書を読むと、いかにイエスが全力で働いておられたかがわかります。
手を抜かれていないのです。いつも、全力で働かれているのです。
嵐の舟の中でも眠り続けられるほど、体力を使い切って働かれていたのです。
【今日の聖書】
そのとき、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。
イエスは眠っておられた。
マタイによる福音書 8章24節