神の定められた役割と順序
1.アロンとその子らとケハトの子らの間には厳格な作業分担があった
出エジプトしたイスラエルの民が移動するときは
その都度、臨在の幕屋を分解して運ばなければなりませんでした。
そしてその分解方法が、神によってモーセを通して示されていました。
臨在の幕屋の運搬作業は、ケハトの子らの役割でしたが
はじめからケハトの子らが、すべて行うのではなく
はじめはアロンとその子らだけで、行わなければなりませんでした。
アロンとその子らが行った作業の手順は、以下の通りでした。
アロンとその子らの作業手順(掟の箱に関して) |
@ | 至聖所の垂れ幕をはずす |
A | @で掟の箱を覆う |
B | Aの上にじゅごんの皮の覆いを掛ける |
C | Bの上から青い一枚布を広げる |
D | Cに担ぎ棒を差し入れる |
アロンとその子らは、この手順通りに「掟の箱」に対して
運搬準備のための覆いをかける作業を、進めなければなりませんでした。
1つでも作業を抜かしたり、作業順序が前後したりしてはなりませんでした。
2.アロンとその子らの作業終了後、ケハトの子らの作業が始まった
掟の箱は金で覆われていましたが、アロンとその子らの作業によって
掟の箱の金色は隠され、外から見たらただの青い布の青色しか見えなかったのです。
そうなってはじめて、ケハトの子らが運搬作業にあたることができたのです。
アロンとその子らが、宿営の移動に当たって、
聖所とそのすべての聖なる祭具を覆い終わった後、ケハトの子らが来て運搬に取りかかる。
彼らが聖なるものに触れて死を招くことがあってはならない。
臨在の幕屋からケハトの子らが運ぶべきものはこれらのものである。
民数記 4章15節
明確に、その人々の役割に線引きがなされていました。
アロンの子らが大変だから、ケハトの子に手伝ってもらおうとか
運搬作業にアロンの子らも加わってもらおう、ということはありませんでした。
あなたはアロンとその子らを監督して、
その祭司職を厳守させなさい。
ほかの者がその務めをしようとするならば死刑に処せられる。
民数記 3章10節
金色に輝く掟の箱を、直に見ることができたのは大祭司と祭司だけでした。
祭司以外の人々は、移動時に覆いのかけられた箱しか見ることができなかったのです。
ほかの者がその務めをしようとするならば死刑に処せられました。
3.その人たちだけに神が与えられた役割があった
このような決まりは、一見、極めて厳しい杓子定規の決まりに見えます。
けれども、そこにこそ、厳格な「神の定められた秩序」の重要性が現れているのです。
神の決められた各人の役割と、神の決められた作業手順は、絶対的だったのです。
人にはただ神をおそれ、神の定められたその決まりに
正しく従うことが、求められていました。
適当にとか、いい加減ということはあり得ませんでした。
神が定められた重要な作業であったからこそ、厳格な秩序があったのです。
人間に対する神の要求は、ある場合厳格な線引きがなされます。
他の誰でもなく、「あなただけがこれをやりなさい」と言われることがあるのです。
モーセの仕事はモーセが、アロンの仕事はアロンが
アロンの子らの仕事はアロンの子らが、やらなければならなかったのです。
同様に、ケハトの子らの仕事はケハトの子らがやらなければならなかったのです。
むすび.私だけに与えられた働きもある
今日の私たちも、同様です。
確かに代役がいくらでもいるかのようにみえるものもあります。
しかし私にだけ限定的に与えられている、そんな働きもあるのです。
大変だから、代わりにあの人にやってもらおうとか、
あなたがやりたいなら、私に変わってやってもいいよ、
などと言うことのできない、そういう私にしかできない役目もあるのです。
今日私がやらなければならないことは何なのか、今日も祈って神に尋ね
私のすべきことを、私が実行していくのです。
神が定められたことを、勝手に変えてしまってはならないのです。
【今日の聖書】
まずアロンとその子らは、宿営の移動に当たって、そこに来て、
至聖所の垂れ幕をはずし、それで掟の箱を覆い、
その上にじゅごんの皮の覆いを掛け、
その上から青い一枚布を広げ、担ぎ棒を差し入れる。
民数記 4章5〜6節