今日のできごと


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2022/5/17(火)

 
さつき

キリストの弟子になるとは?

1.キリストの命じられた4つの命令

 十字架にかけられて死なれた後、三日目に復活したイエス・キリストが
 天に昇られる前に弟子たちに命じられたことは、4つあります。
 マタイによる福音書28章には、次のように記されています。

 だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。
 彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、
 あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。
 わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
 マタイによる福音書 28章19〜20節

 4つを抜き出すと以下のようになります。
 @行くこと
 Aすべての民をキリストの弟子にすること
 B父と子と聖霊の名によって洗礼を授けること
 Cイエスが命じたことを守るように教えること

2.いつキリストの弟子になるのか?

 ここの箇所は、コイネーギリシア語では、下記のようになっています。



 @行きなさい A弟子としなさい B洗礼を授けなさい C教えなさい
 この順に、単純に直列に記されています。特に洗礼に関しては、
 「弟子になった彼らに、洗礼を授けなさい」と、命じられているのです。

 「弟子とするために、洗礼を授けて教えなさい」とは、命じられていません。
 もし「洗礼を授けて教えたら、やがてその人は弟子となれる」というのであれば
 「キリストを信じた時には、まだキリストの弟子ではない」ということになってしまいます。

 また信じた後、ある一定レベルに達したら弟子になるのであるというのであれば
 その一定レベルというのはどこなのか、という問題が発生します。
 信じただけでは弟子にはなれないとなると、どこまで頑張ればよいのか?

 何ができるようになればよいのか?
 異言が話せたらよいのか?毎日祈れるようになれば良いのか?
 誰かを教えられるようになれば良いのか?など何かの規準が必要となるのです。

3.キリストを信じた時点でキリストの弟子となっている

 しかし聖書には、「信じた後、これができるようになって初めてキリストの弟子になります」
 などということは、どこにも書いてありません。
 逆に信じた直後にすぐに弟子になった、という記述が多いのです。

 しかし、弟子たちが周りを取り囲むと、パウロは起き上がって町に入って行った。
 そして翌日、バルナバと一緒にデルベへ向かった。
 二人はこの町で福音を告げ知らせ、多くの人を弟子にしてから、
 リストラ、イコニオン、アンティオキアへと引き返しながら、
 使徒言行録 14章20〜21節

 パウロがデルベで福音を知らせたら、その町の多くの人々は即
 弟子になっているのです。ということは、キリストを信じたならその人は即
 キリストの弟子になる、ということになります。

 キリストを信じているのに、キリストの弟子ではないと言うことなど
 あり得ないと言えるでしょう。キリストを信じたら、キリストが主となるのですから
 キリストを師として歩むことになります。すなわちキリストの弟子になるのです。

 キリストを師とする人は誰もが、キリストの弟子であるはずです。
 パウロはガマリエルを師として、ガマリエルの元で学んでいました。
 パウロはこの時は、ガマリエルの弟子であったのです。

 しかしキリストに出会ってキリストを信じ、キリストがパウロの師となります。
 キリストを信じたその時点で、パウロの師はガマリエルからキリストに変わったのです。
 パウロはキリストを信じたその時に、キリストの弟子となったと言えます。

むすび.私たちは行って、人々を主の弟子として、彼らに洗礼を授け、彼らを教える

 ということは、マタイによる福音書28章19〜20節の4つの命令は
 単純に直列にそのままの順序で、以下のように言い換えることができるでしょう。

 @まだ信じていない人たちのところに、行きなさい
 A彼らに福音を伝えて、彼らをキリストを信じる者すなわちキリストの弟子にしなさい
 B信じたその人たちに、洗礼を授けなさい
 C洗礼を授けた人たちに、キリストの命令を守るように教えなさい

 こうとらえると、実にシンプルになります。
 伝道してその人が救われたら洗礼を授けて、その後は教えるのですよ
 ということになります。

 まさにこの働きを、パウロをはじめとして初代教会の人々はしていったのです。
 彼らが福音を伝えた結果、キリストを信じて弟子となった人々に、彼らは洗礼を授け
 洗礼を授けられた人々が、主の命令を守って生きて行けるように教えていたのです。

 ですから私たちも、そのように働いてゆくのです。
 「すでに信じている人を、さらにキリストの弟子になることができるように、
  頑張って教えていきます」というのではなく

 「『信じた結果キリストの弟子となった人々』に対して、
  彼らが主の命令を守っていけるように、彼らを教えていきます」
 ということになるのです。

 【今日の聖書】
 イエスは、近寄って来て言われた。
 「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。
  だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。
  彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、
  あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。
  わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
 マタイによる福音書 28章18〜20節


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