今日のできごと


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2022/3/22(火)

 

ボアズと出会ったルツ

1.ルツは落ち穂を拾いに出かけた

 1.1 ルツは落ち穂を拾いに行くと申し出た

 ベツレヘムに、ナオミと共にやってきたルツは、
 落ち穂を拾いに出かけます。

 モアブの女ルツがナオミに、
 「畑に行ってみます。だれか厚意を示してくださる方の後ろで、落ち穂を拾わせてもらいます」
 と言うと、ナオミは、「わたしの娘よ、行っておいで」と言った。
 ルツ記 2章2節

 1.2 なぜ落ち穂を拾いに行ったのか?

 なぜルツは、落ち穂を拾いに行ったのでしょうか?
 神に「落ち穂を拾いに行きなさい」と、言われたわけではありません。
 姑のナオミに「落ち穂を拾いに行きなさい」と、言われたわけでもありません。

 1.3 貧しかったから落ち穂を拾わざるを得なかった

 単に、貧しかったからです。
 落ち穂拾いは、貧しいものや寄留者のためのものでした。
 そのため、穀物を収穫するときは落ち穂を残しておいたのです。

 穀物を収穫するときは、畑の隅まで刈り尽くしてはならない。
 収穫後の落ち穂を拾い集めてはならない。
 ぶどうも、摘み尽くしてはならない。
 ぶどう畑の落ちた実を拾い集めてはならない。
 これらは貧しい者や寄留者のために残しておかねばならない。
 わたしはあなたたちの神、主である。
 レビ記 19章9〜10節

2.ルツはたまたまボアズの畑に入りボアズに出会った

 2.1 ルツはたまたまボアズの畑に入った

 なぜルツは、ボアズが所有する畑地に入って行ったのでしょうか?
 刈り入れをする農夫たちの後について行ったら、
 そこがたまたま、エリメレクの一族のボアズが所有する畑地であっただけのことです。

 ルツは出かけて行き、刈り入れをする農夫たちの後について
 畑で落ち穂を拾ったが、
 そこはたまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑地であった。
 ルツ記 2章3節

 ルツが意図的にボアズの畑を探して、そこに狙いを定めて入って行った
 というのではなく、たまたま刈り入れをする農夫たちの後について行ったら、
 そこがボアズの畑だったという、それだけのことだったのです。

 2.2 ちょうどそこにボアズがやってきた

 ルツが落ち穂を拾っていたちょうどその時、そこへボアズがやってきました。

 ボアズがベツレヘムからやって来て、農夫たちに、
 「主があなたたちと共におられますように」と言うと、彼らも、
 「主があなたを祝福してくださいますように」と言った。
 ルツ記 2章4節

 ボアズがやってきたのも、意図的ではありませんでした。
 ルツという女性が、落ち穂拾いをしているようだから
 様子を見て来ようとかではなく、これもまた、たまたまなのです。

 ボアズはルツが来ていることを、知らなかったのです。
 畑に来てはじめて、それを知ったのです。

 2.3 ルツとボアズがその麦畑で出会った

 ボアズは畑に来ていたルツのことを、農夫を監督している召し使いの一人に尋ねます。

 ボアズが農夫を監督している召し使いの一人に、そこの若い女は誰の娘かと聞いた。
 ルツ記 2章5節

 そしてその後、ルツに声をかけるのです。

 ボアズはルツに言った。
 「わたしの娘よ、よく聞きなさい。
  よその畑に落ち穂を拾いに行くことはない。
  ここから離れることなく、わたしのところの女たちと一緒にここにいなさい。
  刈り入れをする畑を確かめておいて、女たちについて行きなさい。
  若い者には邪魔をしないように命じておこう。
  喉が渇いたら、水がめの所へ行って、若い者がくんでおいた水を飲みなさい。」
 ルツ記 2章8〜9節

3.結局ルツはそのボアズと再婚することになった

 3.1 ルツはボアズと結婚し男の子を産んだ

 結局ルツは、この時出会ったボアズと結婚することになります。

 ボアズはこうしてルツをめとったので、ルツはボアズの妻となり、
 ボアズは彼女のところに入った。
 主が身ごもらせたので、ルツは男の子を産んだ。
 ルツ記 4章13節

 神は、ルツとボアズをめぐり合わせ結婚へと導いておられました。

 3.2 結婚に関して神の直接的な導きはなかった

 ところが、ふたりの出会いに関して神は一言も指示を出しておられないのです。
 神はルツに対して「今日落ち穂を拾いに、あそこの畑に行きなさい」とか
 ボアズに対して「今日の何時ごろ、畑に行きなさい」などとは、命じていません。

 ボアズとルツのふたりの行動は、それぞれの意志によるものだったのです。
 しかしその背後に、神の導きがあってふたりは出会い結婚することになりました。
 ふたりをめぐり合わせ、結婚に導いておられたのは神だったのです。

 3.3 神は人の意志を尊重しつつ導かれる

 ここで興味深いのは、すべて人間側の意志で進んでいるという点です。
 落ち穂拾いに行こうと決断したのは、ルツ自身です。
 ボアズも、自分の意志で自分の畑に行こうとしています。

 その結果、ふたりが出会って結婚するのです。
 このふたりが、ダビデの祖父母になります。
 神の計画が進んでいくのですが、神は強引にふたりを導いていません。

 ルツもボアズもふたりとも、自分の意志で行動しています。
 けれども、それが神の計画の中で進んでいるのです。
 「神の命令がなかったから、それは神の御心ではなかった」ということではないのです。

むすび.神は人の意志を尊重されつつ導かれる

 神は確かに、直接その言葉で導かれることもあります。
 しかし直接的な言葉がなくても、人間が自分の意志で決断している場合でも
 神の導きの中にあるということが、あるのです。

 大事なことは、常日頃から神に信頼し神に従う生活をしていることです。
 ルツもモアブ人でありながら、姑の信じる神を信じて生きていました。
 ボアズも多くの財産を持っていましたが、神を信じて生きる人でした。

 神を信じて生きていたふたりの決断が、神の御心に沿うものとなったのです。
 そして、その子からダビデを誕生させ、さらにダビデの子孫から
 救い主イエス・キリストを誕生させるという、神の計画が進んでいったのです。

 【今日の聖書】
 ナオミの夫エリメレクの一族には一人の有力な親戚がいて、
 その名をボアズといった。
 モアブの女ルツがナオミに、

 「畑に行ってみます。だれか厚意を示してくださる方の後ろで、
  落ち穂を拾わせてもらいます」と言うと、ナオミは、
 「わたしの娘よ、行っておいで」と言った。

 ルツは出かけて行き、
 刈り入れをする農夫たちの後について畑で落ち穂を拾ったが、
 そこはたまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑地であった。

 ボアズがベツレヘムからやって来て、
 農夫たちに、
 「主があなたたちと共におられますように」と言うと、
 彼らも、
 「主があなたを祝福してくださいますように」と言った。

 ルツ記 2章1〜4節


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