聞く耳のある者は
イエスは、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われました。
「イエスの言葉を、素直に聞きたいと思っている人は聞きなさい」ということです。
「聞きたくない人は、聞かなくていいよ」というわけです。
なぜ、イエスはそんなことを言われたのでしょうか?
聞いてくれない人にとっても、イエスの言葉は命に関わる重大な内容ですから
強引にでも、語ればよかったのではないでしょうか?
聞く耳を持っていなかった人々に、イエスは語られなかったでしょうか?
語っていました。ファリサイ派の人々や律法学者たちに対してです。
彼らは何とか、イエスの揚げ足を取ろうと躍起になっていました。
ですから素直にではなく、揚げ足を取ろうと聞いていました。
彼らは、聞いてはいましたが受け入れる心は持っていませんでした。
聞く耳を持っていなかったのです。
そういうファリサイ派の人々や律法学者たちに対して、イエスは
厳しく語りかけられました。聞く耳を持っていなかった彼らはどうなったでしょうか?
ますますイエスを憎むようになり、イエスを殺そうとまで考えるようになったのです。
聞く耳のない時に、その人に語り掛けるのは
かえって逆効果になってしまうということを、ここから教えられます。
強引は救いにつながらないのです。強制も救いにつながりません。
本人が自ら考えて、気が付いて、
そうだイエスの言葉を聞いてみようという気持ちになってはじめて
イエスの言葉は、その人の心に届くのです。
パウロは、ダマスコでイエスに出会うまでは、
まったく、イエスの言葉を聞く耳をもっていませんでした。
しかしそこで光に照らされ、イエスと出会い変わります。
その後のパウロは、イエスの言葉に従順に従う者へと変わるのです。
イエスはパウロに「私を信じろ」と強制したのではなく
「なぜ私を迫害するのか?」と問いかけただけです。
そのイエスの問いかけが、パウロに聞く耳を持たせたのです。
聞く耳を持つようになったパウロは、その後イエスの語りかけを心から受け入れ
その言葉に従順に、従う者になっていきました。
【今日の聖書】
そして、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われた。
マルコによる福音書 4章9節