城壁回復
神は、回復を与えて下さるお方です。
バビロン捕囚で、破壊されてしまったエルサレムの城壁は
アルタクセルクセス王の治世第20年の、エルルの月の二十五日に完成しています。
様々な妨害があったにもかかわらず、52日間で城壁は修復されて完成したのです。
1.ネヘミヤはキスレウの月にエルサレムの惨状を知った
ネヘミヤがエルサレムの荒廃の情報と、城壁の惨状を聞いたのが、
キスレウの月(9月=現在の11月中旬から12月中旬)でした。
ハカルヤの子、ネヘミヤの記録。
第二十年のキスレウの月、わたしが首都スサにいたときのことである。
兄弟の一人ハナニが幾人かの人と連れ立ってユダから来たので、
わたしは捕囚を免れて残っているユダの人々について、
またエルサレムについて彼らに尋ねた。
彼らはこう答えた。
「捕囚の生き残りで、この州に残っている人々は、大きな不幸の中にあって、
恥辱を受けています。エルサレムの城壁は打ち破られ、城門は焼け落ちたままです。」
これを聞いて、わたしは座り込んで泣き、幾日も嘆き、食を断ち、
天にいます神に祈りをささげた。
ネヘミヤ記 1章1〜4節
2.ネヘミヤはニサンの月にエルサレム行きの許可をもらった
その後、ネヘミヤがアルタクセルクセス王に
エルサレム行きの許可をもらったのが、
ニサンの月(1月=現在の3月中旬から4月中旬)です。
アルタクセルクセス王の第二十年、ニサンの月のことであった。
王はぶどう酒を前にし、わたしがぶどう酒を取って、王に差し上げていた。
わたしは王の前で暗い表情をすることはなかったが、王はわたしに尋ねた。
「暗い表情をしているが、どうかしたのか。病気ではあるまい。
何か心に悩みがあるにちがいない。」
わたしは非常に恐縮して、王に答えた。
「王がとこしえに生き長らえられますように。
わたしがどうして暗い表情をせずにおれましょう。
先祖の墓のある町が荒廃し、城門は火で焼かれたままなのです。」
ネヘミヤ記 2章1〜3節
3.ネヘミヤはエルルの月にエルサレムの城壁を完成させた
そしてネヘミヤは、民と共に城壁再建に取り掛かりますが
城壁再建が完了したのが、エルルの月(6月=8月中旬から9月中旬)
ということになります。
城壁は五十二日かかって、エルルの月の二十五日に完成した。
ネヘミヤ記 6章15節
エタニム(チスリ)の月(7月=9月中旬から10月中旬)が、
イスラエルでは新年ということになっていますので、
エルサレムの荒廃の情報を聞いてから、9か月ほどで城壁が再建したことになります。
むすび.
ネヘミヤが荒廃の情報を聞いてから、1年経たずに城壁は再建しています。
工事期間はたったの52日間でしたので、
アブの月(5月=7月中旬から8月中旬)の27日間と
エルルの月の25日間の足掛け2か月で、完成したということになります。
ネヘミヤをはじめとした当時の人々の、行動の速さと
行動力のすごさに驚かされます。
しかしその背後に、神の大きな助けがあったのです。
わたしたちのすべての敵がそれを聞くに及んで、
わたしたちの周囲にいる諸国の民も皆、
恐れを抱き、自らの目に大いに面目を失った。
わたしたちの神の助けによってこの工事がなされたのだということを悟ったからである。
ネヘミヤ記 6章16節
神は荒廃していたエルサレムを、そのままにはされませんでした。
ネヘミヤを動かし、民を用いて荒れすさんでいた城壁を
短期間のうちに再建して下さったのです。
神の助けがあるところそこに、素晴らしい回復があるのです。
【今日の聖書】
城壁は五十二日かかって、
エルルの月の二十五日に完成した。
ネヘミヤ記 6章15節