今日のできごと


 前日  翌日  今月  去年の今頃  トップへ  更新
2018/3/22(木)



パウロの救いに用いられたアナニア

 パウロの名前がまだ、サウロだった時代、
 まだイエス・キリストを異端者と決めつけ、
 イエスを信じる者を迫害していた時、

 ダマスコに、アナニアという弟子がいました。
 ダマスコは、ユダヤでもなければサマリアでもありません。
 ヨルダン川東岸のマナセの嗣業の、さらに北側の地域になります。

 当時、ナバテア王国の支配下にあったと言われています。
 ナバテア王国もローマの属国であって、ローマ統治下に置かれていたようです。
 ナバテア王国の王はアレタス4世で、彼の名は新約聖書にも出ています。

 ダマスコでアレタ王の代官が、
 わたしを捕らえようとして、
 ダマスコの人たちの町を見張っていたとき、
 コリントの信徒への手紙二 11章32節

 これは、パウロが救われた後の出来事ですが、
 パウロが救われる以前も、アレタ王(アレタス4世)が支配していたようです。
 そしてその時すでに、このような異邦人の地であったダマスコまで

 福音が届けられていた、ということなのです。
 主を信じたアナニアも、そこにいた弟子のひとりだったのです。
 異邦人伝道の走り(先駆け)と言えるでしょう。

 フィリポのエチオピアの高官への伝道も、異邦人伝道であり
 ペトロのコルネリウスへの伝道も、異邦人伝道ですが、
 ダマスコには、コルネリウス伝道以前にすでに福音が届けられていたのです。

 そしてそのダマスコで、後に異邦人伝道のために
 大きく用いられることになるパウロ(当時の名前でサウロ)が
 アナニアを通して救われて、洗礼を受けることになるのです。

 ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、
 突然、天からの光が彼の周りを照らした。
 サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」
 と呼びかける声を聞いた。
 「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。
 「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。
 使徒言行録 9章3〜5節

 イエスは不思議な方法で、ダマスコ近辺でパウロに語りかけられ、
 パウロが迫害しているのが、神の子救い主であるイエスだということを
 示されましたが、その後パウロに対して用いられたのはアナニアでした。

 起きて町に入れ。
 そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」
 使徒言行録 9章6節

 イエスのパウロへの指示は「起きて町に入れ」までであって
 その先の仕事は、アナニアの手に委ねられていたのです。
 「パウロのなすべきこと」は、アナニアによってパウロに知らされたのです。

 【今日の聖書】
 そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、
 サウロの上に手を置いて言った。
 「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に
  現れてくださった主イエスは、
  あなたが元どおり目が見えるようになり、
  また、聖霊で満たされるようにと、
  わたしをお遣わしになったのです。」

 すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、
 サウロは元どおり見えるようになった。
 そこで、身を起こして洗礼を受け、
 食事をして元気を取り戻した。
   使徒言行録 9章17〜19節

 ※「サウロ」は人名ですが、ギリシア語で呼びかける時は
  語尾変化を起こし「サウル」になります。

 前日  翌日  今月  去年の今頃  トップへ  更新