今日のできごと


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2018/1/11(木)



過越祭の後で

 1.ペトロは過越祭の後で引き出される予定だった

 ペトロは、ヘロデに捕まって投獄されていましたが、
 ヘロデが、ペトロを獄から引き出し処刑しようとしていたのは、
 過越祭の後でした。過越祭が終わるまでは、静かにしていたのです。

 ヘロデはペトロを捕らえて牢に入れ、
 四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。
 過越祭の後で民衆の前に引き出すつもりであった。
 使徒言行録 12章4節

 2.過越祭とはいつか?

 さて、それでは過越祭とはいつでしょうか?

 2.1 出エジプト記12章

 出エジプト記の記述を見てみましょう。

  12:1 エジプトの国で、主はモーセとアロンに言われた。
  12:2 「この月をあなたたちの正月とし、年の初めの月としなさい。
  12:3 イスラエルの共同体全体に次のように告げなさい。
 『今月の十日、人はそれぞれ父の家ごとに、
 すなわち家族ごとに小羊を一匹用意しなければならない。
  12:4 もし、家族が少人数で小羊一匹を食べきれない場合には、
 隣の家族と共に、人数に見合うものを用意し、
 めいめいの食べる量に見合う小羊を選ばねばならない。
  12:5 その小羊は、傷のない一歳の雄でなければならない。
 用意するのは羊でも山羊でもよい。

  12:6 それは、この月の十四日まで取り分けておき、
 イスラエルの共同体の会衆が皆で夕暮れにそれを屠り、
  12:7 その血を取って、小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る。
  12:8 そしてその夜、肉を火で焼いて食べる。
 また、酵母を入れないパンを苦菜を添えて食べる。
  12:9 肉は生で食べたり、煮て食べてはならない。
 必ず、頭も四肢も内臓も切り離さずに火で焼かねばならない。
  12:10 それを翌朝まで残しておいてはならない。
 翌朝まで残った場合には、焼却する。
  12:11 それを食べるときは、腰帯を締め、靴を履き、杖を手にし、急いで食べる。
 これが主の過越である。

  12:12 その夜、わたしはエジプトの国を巡り、人であれ、家畜であれ、
 エジプトの国のすべての初子を撃つ。
 また、エジプトのすべての神々に裁きを行う。
 わたしは主である。
  12:13 あなたたちのいる家に塗った血は、あなたたちのしるしとなる。
 血を見たならば、わたしはあなたたちを過ぎ越す。
 わたしがエジプトの国を撃つとき、
 滅ぼす者の災いはあなたたちに及ばない。

  12:14 この日は、あなたたちにとって記念すべき日となる。
 あなたたちは、この日を主の祭りとして祝い、
 代々にわたって守るべき不変の定めとして祝わねばならない。

  12:15 七日の間、あなたたちは酵母を入れないパンを食べる。
 まず、祭りの最初の日に家から酵母を取り除く。
 この日から第七日までの間に酵母入りのパンを食べた者は、
 すべてイスラエルから断たれる。
 
  12:16 最初の日に聖なる集会を開き、
 第七日にも聖なる集会を開かねばならない。
 この両日にはいかなる仕事もしてはならない。
 ただし、それぞれの食事の用意を除く。これだけは行ってもよい。
 
  12:17 あなたたちは除酵祭を守らねばならない。
 なぜなら、まさにこの日に、わたしはあなたたちの部隊を
 エジプトの国から導き出したからである。
 それゆえ、この日を代々にわたって守るべき不変の定めとして
 守らねばならない。
 
  12:18 正月の十四日の夕方からその月の二十一日の夕方まで、
 酵母を入れないパンを食べる。
 
  12:19 七日の間、家の中に酵母があってはならない。
 酵母の入ったものを食べる者は、寄留者であれその土地に生まれた者であれ、
 すべて、イスラエルの共同体から断たれる。
 
  12:20 酵母の入ったものは一切食べてはならない。
 あなたたちの住む所ではどこでも、酵母を入れないパンを食べねばならない。』」

 出エジプト記 12章1〜20節

 1月14日の夕方から21日の夕方までが、
 過越祭と除酵祭ということになります。

日付内容章節
1/10家族ごとに傷のない一歳の雄の小羊か山羊を一匹用意する
もし多すぎる場合は隣家と一緒に1匹にする
12:3-5
1/14 夕暮れ皆で夕暮れに小羊を屠る12:6
1/14 夕暮れ 一束のヒソプを取って、鉢の中の小羊の血に浸し、
小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る
12:7,22
1/14 夕暮
〜1/15 朝
誰も家の入口から外に出てはならない12:22
1/15〜21 家の中に酵母があってはならない
酵母の入ったものは一切食べてはならない
12:19
12:20
1/15 夜腰帯を締め、靴を履き、杖を手にする12:11
1/15 夜小羊の肉を頭も四肢も内臓も切り離さずに火で焼いて、
酵母を入れないパンと苦菜と一緒に急いで食べる
生で食べても煮て食べてもダメ
12:8-9,11
1/15 夜残った小羊の肉を焼却処分12:10
1/15 聖なる集会を開く
食事の準備以外どんな仕事もしてはいけない
12:16
1/15 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/16 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/17 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/18 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/19 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/20 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/21 酵母を入れないパンを食べる12:18
1/21 聖なる集会を開く
食事の準備以外どんな仕事もしてはいけない
12:16

 2.2 レビ記23章

 次に、レビ記の記述を見てみましょう。

  23:5 第一の月の十四日の夕暮れが主の過越である。
 
  23:6 同じ月の十五日は主の除酵祭である。
 あなたたちは七日の間、酵母を入れないパンを食べる。
 
  23:7 初日には聖なる集会を開く。
 いかなる仕事もしてはならない。
 
  23:8 七日の間、燃やして主にささげる献げ物を続けて、
 七日目に聖なる集会を開く。
 いかなる仕事もしてはならない。
 レビ記 23章5〜8節

日付内容章節
1/14 夕暮れ主の過越23:5
1/15 主の除酵祭23:6
1/15聖なる集会を開く
いかなる仕事もしてはならない
23:7
1/15酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/16酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/17酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/18酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/19酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/20酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/21酵母を入れないパンを食べる
燃やして主にささげる献げ物を献げる
23:6,8
1/21聖なる集会を開く
いかなる仕事もしてはならない
23:7

 2.3 民数記9章

 民数記9章の記述を見てみましょう。
 モーセに率いられて、エジプトを脱出したイスラエルの民は
 エジプトの国を出た翌年の第一の月に、過越祭を祝っています。

 エジプトの国を出た翌年の第一の月、
 主はシナイの荒れ野でモーセに仰せになった。
 イスラエルの人々は定められた時に過越祭を祝わねばならない。
 あなたたちは、この月の十四日の夕暮れ、
 定められた時にそれを祝い、そのすべての掟と法に従って祝いなさい。
 モーセはイスラエルの人々に過越祭を祝うように命じた。
 彼らは第一の月の十四日の夕暮れに、シナイの荒れ野で過越祭を祝った。
 イスラエルの人々は、すべて主がモーセに命じられたとおりに祝った。
 民数記 9章1〜5節

 第1の月の14日の夕暮れが主の過越でした。
 第1の月は、「アビブの月」や「ニサンの月」という呼び方もあります。
 今の3月から4月にあたるそうです。

 日没から日没までを1日としますので、
 14日の夕暮れというのは、日没の直前ですから
 14日が終わりかけ、15日が始まる寸前ということになります。

 2.4 民数記28章

 民数記28章の記述を見てみましょう。
 この箇所には、献げものについて具体的に記されています。

  28:16 第一の月の十四日は、主の過越である。
 
  28:17 十五日は祭りの日である。
 あなたたちは七日の間、酵母を入れないパンを食べる。
 
  28:18 初日には聖なる集会を開く。
 いかなる仕事もしてはならない。
 
  28:19 あなたたちは、若い雄牛二頭、雄羊一匹、一歳の羊七匹、
 すべて傷の無いものを、
 燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
 
  28:20 雄牛一頭について穀物の献げ物として、
 オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉十分の三エファ、
 雄羊一匹について十分の二エファ、
 
  28:21 小羊七匹については、一匹につき十分の一エファをささげる。
 
  28:22 また、雄山羊一匹を贖罪の献げ物とし、
 あなたたちのために罪を贖う儀式を行う。
 
  28:23 あなたたちは、日ごとの焼き尽くす献げ物の一部として、
 朝にささげる焼き尽くす献げ物のほかに、
 以上のものをささげねばならない。
 
  28:24 このようにして、七日の間、毎日、
 燃やして主にささげる宥めの香りを食物としてささげる。
 これは、日ごとの焼き尽くす献げ物とぶどう酒の献げ物に
 加えてささげるべきものである。
 
  28:25 七日目には、聖なる集会を開く。
 いかなる仕事もしてはならない。

 民数記 28章16〜25節

日付内容章節
1/14主の過越28:16
1/15祭りの日28:17
1/15聖なる集会を開く
いかなる仕事もしてはならない
28:18
1/15酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/16酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/17酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/18酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/19酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/20酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/21酵母を入れないパンを食べる 28:17
傷の無い(若い雄牛2頭+雄羊1匹+1歳の羊7匹)を
燃やしてささげる焼き尽くす献げ物として主にささげる。
28:19
オリーブ油を混ぜた上等の小麦粉
(0.3×2+0.2×1+0.1×7)=1.5エファを献げる
28:20-21
雄山羊1匹を贖罪の献げ物とし、罪を贖う儀式を行う。 28:22
1/21聖なる集会を開く
いかなる仕事もしてはならない
28:25

 2.5 申命記 16章

 申命記の記述を見てみましょう。

  16:1 アビブの月を守り、あなたの神、主の過越祭を祝いなさい。
 アビブの月のある夜、あなたの神、
 主があなたをエジプトから導き出されたからである。
 
  16:2 あなたは、主がその名を置くために選ばれる場所で、
 羊あるいは牛を過越のいけにえとしてあなたの神、主に屠りなさい。
 
  16:3 その際、酵母入りのパンを食べてはならない。
 七日間、酵母を入れない苦しみのパンを食べなさい。
 あなたはエジプトの国から急いで出たからである。
 こうして、あなたはエジプトの国から出た日を生涯思い起こさねばならない。
 
  16:4 七日間、国中どこにも酵母があってはならない。
 祭りの初日の夕方屠った肉を、翌朝まで残してはならない。
 
  16:5 過越のいけにえを屠ることができるのは、
 あなたの神、主が与えられる町のうちのどこででもよいのではなく、
 
  16:6 ただ、あなたの神、
 主がその名を置くために選ばれる場所でなければならない。
 夕方、太陽の沈むころ、
 あなたがエジプトを出た時刻に過越のいけにえを屠りなさい。
 
  16:7 それをあなたの神、主が選ばれる場所で煮て食べ、
 翌朝自分の天幕に帰りなさい。
 
  16:8 六日間酵母を入れないパンを食べ、七日目にはあなたの神、
 主のために聖なる集まりを行い、いかなる仕事もしてはならない。

 申命記 16章1〜8節

 3.過越祭と除酵祭との関係

 第一の月の十四日の夕暮れが主の過越である。
 同じ月の十五日は主の除酵祭である。
 あなたたちは七日の間、酵母を入れないパンを食べる。
 レビ記 23章5〜6節


 過越祭の後7日間は、今度は除酵祭(種なしパンの祭り)になります。
 過越祭が14日の夕暮れで、除酵祭がその翌日の15日から7日間となります。
 除酵祭も過越祭に組み入れていたとすれば、8日間となるでしょう。

 ペトロが引き出されることになっていたのは、過越祭の後です。
 ですから、ペトロはちょうど過越祭が終わる日の、
 前日に、引き出されようとしていたのです。

 ヘロデがペトロを引き出そうとしていた日の前夜
 ペトロは二本の鎖でつながれ、二人の兵士の間で眠っていた。
 番兵たちは戸口で牢を見張っていた。
 使徒言行録 12章6節

 過越祭が終わる日の前日ということは、ちょうど過越祭の真最中ということ
 になるわけです。ヘロデが過越祭の直後の日に、引き出そうとしていたとすれば、
 ペトロは過越祭の真最中に、救出されたということになるようです。

 二本の門柱と鴨居に小羊の血を塗った家の、初子が殺されずに済んだのが
 出エジプト時の過越でしたが、ヘロデによって殺されようとしていたペトロもまた
 その過越祭の時に、救出されて殺されないようにされているのです。

 【今日の聖書】
 ペトロは我に返って言った。
 「今、初めて本当のことが分かった。
  主が天使を遣わして、ヘロデの手から、
  またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、
  わたしを救い出してくださったのだ。」
 使徒言行録 12章11節


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