出雲国風土記『国譲り』
昨日、地方史学者、島根県立大学短期大学部名誉教授の藤岡大拙先生から
出雲国風土記「国譲り神話」について教えて頂きました。
古事記と日本書紀に記されている、国譲りの原文を解説していただきました。
一言で言うと、国つ神の「オオクニヌシ」が、自分が治めていた
「葦原の中つ国」(すなわち日本)の支配権を、
天つ神側の「タケミカヅチ」に譲り渡したお話です。
ただしその交換条件として、「自分のために大きな社を作ってくれ」と
いうことになって、出雲大社ができたという話でした。
その大きさは、とてつもない大きさだったということでした。
オオクニヌシは、地上の支配権を譲り渡しましたが、その代替として
神事の支配権を渡されたのです。宗教的支配権です。
このことによって、日本の支配が2局化されたことになります。
目に見える部分の支配と、目に見えない部分の支配が別れ、
それぞれに支配権が、分与されたことになります。
出雲は、神事すなわち宗教的支配権を得たことになっています。
No. |
項目 |
武甕槌(オオミカヅチ)側 |
大国主(オオクニヌシ)側 |
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出身 |
天つ神(天上界) |
国つ神(地上) |
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地上の支配権譲渡 |
譲り受けた |
譲り渡した |
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支配権 |
地上(顕界) |
神事(幽界) |
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拠点 |
大和 |
出雲 |
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代表者 |
アマテラス |
オオクニヌシ |
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太陽 |
日の出(朝日) |
日の入(夕日) |
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神社 |
伊勢神宮 |
出雲大社 |
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天皇の支配 |
生存中の天皇 |
死去した天皇 |
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エリア |
目に見える世界 |
目に見えない世界 |
出雲が、旧暦の10月に神無月でなく神在月となるのは、
ここから来ているようです。
日本中の神々が、出雲に集合して計画を話し合うということです。
それを司っているのが、オオクニヌシということになるのです。
出雲は、日本の神々の支配権をもったオオクニヌシを祭る地域
ということになるようです。
日本の神話によると、日本の霊的世界においては、
オオクニヌシが一番の支配権を持ち、年に一度、
日本のすべての霊がその元に集まって会議をして決議するというのです。
しかし、これはあくまでも神話の世界の話で、
その信憑性がどこまであるかは、不明瞭です。
あるいは、オオクニヌシという霊的な存在があるのかもしれませんし、
まったくの創作話なのかもしれません。
いずれにしても、それらを神々として祀っている神社が市内外の各所に存在し、
人々がそこで、様々な行事を行っていることは事実です。
この世の言い伝えがどうであろうと、何が祀られてどんな行事があろうと
聖書に記されているイエス・キリストは、事実存在しておられ、
神によって、あらゆる権威の上に置かれています。
霊的世界における一番の権威は、イエス・キリストに
与えられているのです。
神は、この力をキリストに働かせて、
キリストを死者の中から復活させ、
天において御自分の右の座に着かせ、
すべての支配、権威、勢力、主権の上に置き、
今の世ばかりでなく、
来るべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれました。
エフェソの信徒への手紙 1章20〜21節
聖書によると、世の終わりにキリストはすべての支配と
すべての権威や勢力を滅ぼし、
父である神に国を引き渡されることになっています。
次いで、世の終わりが来ます。
そのとき、キリストはすべての支配、
すべての権威や勢力を滅ぼし、
父である神に国を引き渡されます。
コリントの信徒への手紙一 15章24節
最終的に、神は一番の権威をキリストにお与えになっておられますので、
キリストに勝る支配者は、存在しません。
私たちを完全に、愛によって支配してくださるのは、イエス・キリストです。
ですから私たちは何も、恐れる必要はありません。
ただイエス・キリストを信じ、イエス・キリストに従えば良いのです。
天にどんな悪の諸霊がいるとしても、勝利はイエスにあるのです。
【今日の聖書】
わたしたちの戦いは、
血肉を相手にするものではなく、
支配と権威、暗闇の世界の支配者、
天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。
エフェソの信徒への手紙 6章12節