国引きジオパーク
今日は、島根大学特任教授の野村律夫先生から、
くにびきジオパーク構想の取り組みについて、お話を伺いました。
そもそも「ジオパークとは何か?」ということから始まって、
なぜジオパークにしたいのか?
ジオパークにするための条件は満たしているのか?
現状の問題は何で、今後どう取り組んでいくのか?を教えて頂きました。
そもそもジオパークというのは、工業化が進んでいった20世紀後半に、
世界的に環境破壊が進んだため、それを何とかしようということで
出てきたものだそうです。
環境保護を推進しようという目的で、環境と公園を融合させた
ジオパークというものが、考案されて進められてきたそうです。
きれいな環境を残したいという、動機のようです。
ジオパークは、単にその地域一帯の景観が良い、というだけではなく、
地域一帯が、人々の暮らしや文化と密接に関りを持ち、
その地域一帯の自然環境が、文化と融合していることが必要だそうです。
すでに、隠岐や山陰海岸はジオパークに指定されており、
世界ジオパークにもなっているようです。
そこで、島根半島一体もジオパークにしてしまおうということのようです。
出雲国風土記の国引き神話に基づいて、大山あたりから、
出雲平野までを、広範囲に渡ってジオパークにしたいとのことでした。
国引きと言いつつ、大山は入れても、三瓶山は入っていないようです。
環境保護という側面があるのですが、
今回のくにびきジオパークの中央部分には、既に海岸部を開発して建設した
島根原子力発電所が存在しています。
単に建物があるだけでなく、稼働できる状況ですので、
一旦稼働してしまえば、地球上最も危険な廃棄物である「放射性廃棄物」を
常時排出することになってしまい、ジオパークの理念と相反してしまいます。
「ジオパークの中に原発があっても大丈夫なのですか?」と伺ったところ
「そこが大きな問題なんです」とおっしゃっておられました。
ジオパークによっては、原発の部分をあえて外して認定されている所も
あるとのことで、そうしたらよいのか、
けれども地形上、そこだけ外すというのも難しいので
どうしたものか?ということでした。
【今日の聖書】
10 主は泉を湧き上がらせて川とし
山々の間を流れさせられた。
11 野の獣はその水を飲み
野ろばの渇きも潤される。
12 水のほとりに空の鳥は住み着き
草木の中から声をあげる。
13 主は天上の宮から山々に水を注ぎ
御業の実りをもって地を満たされる。
14 家畜のためには牧草を茂らせ
地から糧を引き出そうと働く人間のために
さまざまな草木を生えさせられる。
詩編 104編10〜14節