今日のできごと
2016/6/26(日)

使徒言行録には、フィリポがエチオピアの宦官に
イエス・キリストを伝えたことが記録されています。
さて、主の天使はフィリポに、
「ここをたって南に向かい、
エルサレムからガザへ下る道に行け」と言った。
そこは寂しい道である。
使徒言行録 8章26節
天使に、エルサレムからガザにくだる道に行くように言われ、
そこに出かけると、ちょうど馬車に乗っていた
エチオピアの宦官に出会います。彼はイザヤ書を朗読中でした。
フィリポは聖霊に「追いかけて、あの馬車と一緒に行け」
と言われたので、馬車に走り寄ります。
宦官は、イザヤ書の内容の意味がわからずにいました。
フィリポが彼に、
「読んでいることがお分かりになりますか」と尋ねると
「手引きしてくれる人がなければ、どうして分かりましょう」
と言われ、一緒に馬車に乗るようにすすめられたので
馬車に乗って、聖書のその個所から、
イエスこそ救い主だということを知らせました。
そこで、フィリポは口を開き、
聖書のこの個所から説きおこして、
イエスについて福音を告げ知らせた。
使徒言行録 8章35節
すると彼はすぐに信じて、洗礼を受けたいと願います。
道を進んで行くうちに、彼らは水のある所に来た。
宦官は言った。「ここに水があります。
洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか。」
使徒言行録 8章36節
フィリポは彼に、洗礼を授けました。
フィリポの働きはそこまででした。
そして、車を止めさせた。
フィリポと宦官は二人とも水の中に入って行き、
フィリポは宦官に洗礼を授けた。
使徒言行録 8章38節
その後フィリポは、主の霊によって連れ去られてしまいます。
不思議な立ち去り方ですが、エチオピアの宦官に対しては
そこまででよかったのです。
彼らが水の中から上がると、
主の霊がフィリポを連れ去った。
宦官はもはやフィリポの姿を見なかったが、
喜びにあふれて旅を続けた。
使徒言行録 8章39節
おそらく宦官は、エチオピアに帰ってからも
そこで、喜びにあふれて福音を伝えたことでしょう。
こうしてエチオピアに、福音が届けられることになったのです。
神様は、エチオピアにも福音を届けたかったのです。
けれども、エチオピアという地域に人を遣わすのではなく、
エチオピアから来ていた宦官に福音を伝え、
彼を救いに導き、彼をエチオピアに帰らせて、
彼によって、エチオピアに福音が届くようにされたのです。
フィリポは、そのための最初の任務を全うしたことになります。
フィリポが語らなければ、このエチオピア宣教は
実現していなかったのです。
この宦官によって福音が届けられることはなかったでしょう。
フィリポは、エチオピア宣教に大きく用いられたことになります。
エチオピア人に福音を伝え、彼を救いに導いたからです。
宦官は、エチオピアの初穂となりました。
フィリポの宣教時間はごくわずかです。
フィリポがエチオピアの宦官とあっていたのは、
ほんの数十分だったのではないでしょうか?
あるいは1時間以上だったからかもしれません。
けれどもいずれにせよ、1日の中のほんの一部です。
何日もかかったわではありません。
しかしそれで十分だったのです。
一方、その前のサマリアでのフィリポの働きは、
1日ではなかったはずです。
また彼は、サマリアでは大勢の人々に福音を告げ知らせています。
フィリポはサマリアの町に下って、
人々にキリストを宣べ伝えた。
群衆は、フィリポの行うしるしを見聞きしていたので、
こぞってその話に聞き入った。
使徒言行録 8章5〜6節
サマリアでは大勢の人々に伝え、フィリポに注目が集まります。
魔術師でさえフィリポの語ることを聞いて、イエス・キリストを
信じています。町中大騒ぎだったことと思います。
ところが、エチオピアの宦官に対する宣教は、
寂しい道で、しかもたった一人だけに対してでした。
静かな隠れた宣教です。
しかしそれが、エチオピアという地域全体に、
福音を届けるきっかけになっていくのです。
影響範囲は、決して小さくありませんでした。
私たちも同じです。
1日の中で、たった数分の出来事が、
その人の人生を変え、その人の住んでいる街を変え、
その地域全体に影響を及ぼすことになることもあります。
それは決して目立たない出来事かもしれません。
しかし、それが大きな収穫につながるかもしれないのです。
わたしがその数分で、今出会っているその人に
イエス・キリストを語るかどうか、そこにかかっています。
永遠の命を与えるイエス・キリストを今日も伝えていきましょう。
【今日の聖書】
そこで、フィリポは口を開き、
聖書のこの個所から説きおこして、
イエスについて福音を告げ知らせた。
使徒言行録 8章35節