今日のできごと
2016/5/5(木)

昨日の祈祷会のテーマは「滅びに向かって突き進んだハマン」でした。
昨日の祈祷会では、エステル記の5章9〜14節を開きました。
モルデカイとユダヤ民族全体を滅ぼそうとしていた
ハマンという人物について、見ていきました。
1.ハマンの喜びは多くの財産と名誉ある地位だった
1.1 ハマンは多くの財産と高い地位を自慢した
ハマンは、王妃エステルの開いた酒宴に、大臣や家臣の中で
自分一人しか招かれていなかったことで、上機嫌でした。
そして友達を家に招き、自慢話を語ります。
自分の持っているすばらしい財産について
自分の大勢の息子たちについて
また王から賜った栄誉や、他の人々にまさる自分の栄進について
余すところなく語ったとあります。
ハマンにとっての喜びは、自分の財産や多くの息子たち
国における名誉ある地位だったことが、わかります。
1.2 多くの財産や高い地位は人の目には魅力的に映る
ハマンに限らずいつの時代も、多くの人々が
より多くの財産や、より高い地位を手にすることを願います。
私たちにとって、多くの財産や高い地位は魅力的に映ります。
財産と地位のある人は、周囲から羨望の目で見られます。
ですから、ハマンのように財産と地位を手中に収めると、
自慢したくなるのは、自然の流れのようです。
1.3 欲望は財産や地位を求めるがその先は滅び
自分の身にこの後どんなことが起きるかも知らずに、
ハマンは、すべてが自分の思い通りになっていると
思って喜んでいました。上機嫌だったのです。
彼は、財産や地位を喜んでいましたが
それは、自分の欲望を満たすだけの生き方であって
実は滅びに向かって、一直線に進んでいたのです。
彼は頼りにならないものを、重要視していました。
この世の財産や地位などは、実は一時的であって、
重要視すべきものではなかったのです。
2.ハマンはモルデカイをこそ重視する必要があった
2.1 なぜ自分にひざまずかないのか
ハマンは最も重要視すべきものを知らなかったのです。
モルデカイはそれを知っていました。
彼がひざまずいて敬礼しないことに理由が隠されていました。
2.2 モルデカイは真の神を知っていた
モルデカイはユダヤ民族でした。神を礼拝する民の一人でした。
ですから真の神を知っていました。
神お一人が礼拝されるべき方であることを信じていました。
ですから人を礼拝することはしなかったのです。
たとえ自分よりも地位が高い人物であろうと、王の命令であったとしても、
神に対してするような、うやうやしい態度は取りませんでした。
2.3 ハマンは感情的に拒んでしまった
ハマンはモルデカイを呼んで、謙虚に理由を聞くべきだったでしょう。
なぜ自分にひざまずいて敬礼しないのかを。
そうすれば、モルデカイが真の神のみを礼拝していることがわかり
神について知ることができたでしょう。
モルデカイが自分を嫌悪して無視しているのではないことが
わかったことでしょう。
しかし彼は、モルデカイが自分を無視していると取ったのでしょうか、
モルデカイを感情的に拒み、殺そうとしてしまいます。
3.自分の思いのままに生きたハマンの不幸
3.1 嫌悪する人が属している民全部を滅ぼそうと企んだ
ハマンはモルデカイをあまりにも憎むあまり、
その民族全体を滅ぼそうと企んでしまいます。
そしてそれが実現するように、自分の地位を利用します。
自分の欲に生き、自分の思い通りに生きることを求めると
最終的には、人を殺しにかかることになります。
自分の思い通りにいかない人々が、邪魔になるからです。
3.2 目障りなモルデカイを殺すために柱を立てた
とりわけ自分の状況が思い通りに進んでいくとき、
その思いが強くなります。思い通りにならないものも
自分の思い通りに排除してしまえということになるのです。
妻や友人たちにそそのかされて、モルデカイを殺すための柱を
それも20m超の柱を、次の日までに立てさせてしまいます。
ここにも彼の、地位の力の大きさが見て取れます。
3.3 人に対してしようとしていたことが自分に返ってきた
5章にはまだ出てきませんが、その後7章を読むと
その柱にかけられたのはモルデカイではなく、
ハマンその人だったことがわかります。
自分の思い通りに生きようとして、邪魔者を消そうとしたハマンは
逆に、その悪が暴かれ自らの滅亡を招くことになりました。
自慢の大勢の息子たちも、最終的には滅ぼされてしまいます。
むすび.
ハマンのような生き方は、本来的な人間の生き方ではありません。
自分の欲望を満足させようと、富と名誉を求め、
多くの財産を得て高い地位につくと、それを誇り
その地位に任せて、目障りなものを排斥しようとする。
それは自己中心そのものであり、愛の逆をいくものです。
最後に待っているのは滅びです。決して幸福ではありません。
神を求めない自己中心な生き方は
最終的には、自分自身に滅びを招くことになってしまうのです。
私たちは、多くの財産や高い地位を求めたり、
またそのような状況にある人々を、うらやましく思いません。
ただ真の神を自分の神として、誠実に仕え、
自分の欲ではなく、神のみこころを行う生き方をしていきます。
現在ハマンのような高い地位、多くの財産を持っている方々にも
福音が届けられ、本当の幸せをつかんでほしいと願っています。
【今日の聖書】
どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。
一方を憎んで他方を愛するか、
一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。
あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」
ルカによる福音書 16章13節