14 使徒信条  題 「我は聖霊を信ず・・もう一人の助け主」  2004/9/26

「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。
その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。(ヨハネ14:16)


使徒信条は「父なる神」と「御子イエスキリスト」への信仰告白に続いて「我は聖霊を信ず」と告白します。よみがえられたイエス様は、お弟子たちに「聖霊を受けなさい」(ヨハネ20:22)と語りかけました。使徒パウロも「聖霊に満たされなさい」(エペ5:18)とすべての信徒に命じました。聖霊なる神を信じ、聖霊を受け、聖霊に満たされ続けることなくしてクリスチャン生活の充実は望めません。今朝は聖霊なる神様をイエス様のお約束のことばから学んでゆきましょう。

「わたし父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになりま。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。(ヨハネ14:16)

 1 聖霊はもうひとりの助け主です

イエス様は「聖霊はお弟子たちと共におられるもうひとりの助け主である」と教えてくださいました。助け主と訳された言葉は「パラクレートス」といいますが、「呼ばれたらいつも傍らに来てくれる人」を指すことばです。呼んだら駆けつけてきて側にいて味方となり助けてくれる人という意味から、「弁護士」をさすことばともなりました。最近の弁護士はこちらから法律事務所に行かなければ会えませんし、当然のこととして助けてもらえばあとから請求書が送られてきますが、御聖霊はいつもともにいて必要な助け、慰め、力を与えてくださる力強いお方とされています。どれほど頼もしい存在でしょうか。

さらに「もうひとり」ということばが示すように、聖霊なる神様はイエス様と同じようにお弟子たちと共に日々歩んでくださるお方です。だからお弟子たちを決して孤児とされませんでした。パウロは後に、聖霊を「キリストの御霊」(ロ−マ8:9)と呼び、「主は霊です」(2コリ3:17)と告白しました。「助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです」とイエス様はお約束をしてくださいましたが、主イエスは聖霊とともにいつまでもともにいてくださるのです。

十字架にかけられよみがえられたキリストは天の神の右の座に主権者として座しておられますが、同時に、聖霊によって聖霊において聖霊とともに今、キリストを信じる者と共におられ、ダイナミックに私たちの生活と関わってくださるのです。

ある教派では聖霊様と呼びかけ深い人格的な愛の交わりを持つことを常に強調しているようです。聖霊はいつもともにおられるのですから失礼になってはいけないと、ある牧師は朝、目覚めるとまず家族の誰よりも先に「聖霊様、おはようございます」と挨拶されるそうです。だからといって私たちがまねをする必要はありませんが、この牧師のように、朝めざめて最初に、イエス様お早うございますと挨拶するほど、イエス様との親しい交わりに生きていること自体は、なんとすばらしいことでしょう。朝ごとに聖霊との交わりを新鮮に保っておられるその信仰のあり方には教えられます。

聖霊は「イエス様の栄光を証しされる」お方ですから、直接礼拝をささげられたり、崇められることをお求めにはなりません。むしろ私たちの心を開いて、イエス様の御名を崇めさせ、賛美と栄光を御子イエスにおささげするように導く、新しい礼拝をご指導されるお方とも言えます。聖霊は、御子の栄光が崇められることを何よりも喜びとされる謙虚で奥深い隠れたお方です。ですから賛美と礼拝を通して私たちとお会いしてくださるといえます。

霊は真理を明らかにしま

しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます
ヨハネ16:13)

イエス様は助け主を「真理の御霊」とも呼ばれ、「その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます」(ヨハネ16:8)と語られました。聖霊は私達の罪を示し、悔い改めに導き、イエスキリストの十字架の血による赦しを信じる信仰へと導いてくださいます。

聖霊が臨んでくださるとき、10年20年、考えてもわからなかった聖書のことばが一瞬にしてわかるという経験をさせていただくことができます。聖霊は聖書を教えてくださる最高の教師とも呼ばれるほどです。私は高校生のころ、教会に通いましたが、「罪人」といわれてもさっぱりわかりませんでした。佐渡島や八丈島に島流しにされそうな響きの悪い言葉としか思えませんでしたから、わかろうともしなかったと言ってもいいかもしれません。しかし大学時代、教会の祈祷会に始めて出席して「欲がはらんで罪を生み、罪は熟して死に至る」という聖書の言葉を牧師が解き明かしてくださった時、一瞬にして自分の罪深さがわかり、自分が十字架の赦しを必要としている一人の罪人であることが理解できたことを覚えています。

イエス様は「真理はあなたがたを自由にします」(ヨハネ8:32)と語られましたが、真理の御霊はまことの神について、罪について、神様との正しい関係について、わたしたちの心の目を開いてくださり、神様抜きの自己中心的な考え方、人生観、古い因習、迷信、しきたりやしがらみ、悪習慣から解放し、神とともなる自由な世界へと導きいれてくださいます。

「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」
ヨハネ14:26)

わたしが父のもとから遣わす助け主、すなわち父から出る真理の御霊が来るとき、その御霊がわたしついてあかしします」(ヨハネ15:26)

真理の御霊はさらに、イエス様の語られたことばの意味を解き明かしてくださり、イエス様との深い愛の交わりへと導いてくださいます。ご聖霊の働きによって聖書の中に記されている2000年前にイエス様が、ここに生きている私の前に生き生きと描き出され、まるでイエス様と語り合っているこのような思いへと導かれます。そのような経験を通して、「聖書のイエス様から、わたしのイエス様」へ「聖書の中のイエス様から、私の生活の中のイエス様」へと移ってゆくのです。

よく観察するとお花畑の蝶々は同じ道を通って飛んでいるそうです。聖霊が好んで通られる道を神のしもべたちは見出しました。みことばの道と祈りの道です。あなたがみことばに親しみ、祈りの時間を大切にしているならば、聖霊はあなたとお会いしてくださることでしょう。

宗教改革者のカルバンは、「聖霊はみことばによって、みことばを通して、みことばとともに働かれる」といいました。あなたがイエス様とともに歩みたいと願われるならば、デボーションの時間を豊かにもってください。どのような方法でも構いません。時間もいつでもかまいません。幸いな人やクレイやアパールームなどのすぐれたデボーションブックも発売されています。FEBCや世の光やハーベストタイムを聞いていただくこともきっとお役に立つことでしょう。私は今年は、「神を体験する」というデボーションブックを用いていますが、折にかなった恵みを頂き感謝にたえません。

御聖霊はもっとあなたにイエス様のすばらしさを味わっていただきたいと願っておられます。神の御坐におられるキリストのすべての力、愛、平安、祝福を余すところなく経験して欲しいと願っておられるのです。

 聖霊は神の御心を示し導きます

「しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導き入れます。御霊は自分から語るのではなく、聞くままを話し、また、やがて起ころうとしていることを
あなたがたに示
すからです」(ヨハネ16:13)

真理の御霊は、父から聞いたこと、御子から聞いたことをそのまま語り伝えてくださり、神様が御計画してくださっていることがらをお示しになってくださるお方であると、イエス様は教えてくださいました。

「神のみこころのことは、神の御霊のほかにはだれも知りません」(1コリ2:11)。神の御心は聖霊のみがご存知であり聖霊が伝えることができると聖書は教えています。ですから、私たちは聖霊から神の御心をお聴きすることができるのです。

また、聖書は「神の御霊に導かれる人は、だれでも神の子どもです」(ロマ8:14)と教えています。すべての信徒は神の子ですから、神の御霊に導かれ、神の思いをお聴きすることができます。誰でも神の子は神に導かれるのですから、教会の誰に神様が御心を語りかけてくださっているか私たちにはわかりません。ですから、神様に教えられたり導かれていること、神様はこのように考えておられるのではないかと思うことが示されたならば、教会の交わりの中で、自由に証ししていただきお互いに分かち合うことがとても大切だと思います。

また、神様は教会の誰かを通し他のメンバ−を励まし慰めようとされているかもしれません。聖霊がその目的のために愛をこめて送り届けてくださるメッセージや導きを聞き逃してるとするならば、お互いにとって大きな愛の損失ではないでしょうか。人間のどんなことばよりも神様のことばに優る慰めのことばはないのですから。

また、神様が教会に特別なご計画を持っておられるとするならば、聖霊は熱心に教会に語りかけてくださることでしょう。人間的などんな緻密な計画やすばらしいプログラムを立てても、神様がご用意されておられるご計画に遠く及びません。ですから聖霊を通して語りかけてくださる神様の導きに鋭敏でなければなりません。

イエス様がお約束してくださった聖霊は、慰めと力を持って信徒と教会を助けてくださる「助け主」であり、神様のことばの最高の教師であり、自由を与える「真理の御霊」であり、御子イエス様との親しい愛の交わりに招き入れてくださる「キリストの御霊」です。そして神様の御心をお伝えしてくださる静かなメッセンジャ−です。ご聖霊との豊かな交わりを愛し、ご聖霊とともに歩んでゆきたいものです。

                    祈り

イエス様、あなたが遣わしてくださった助け主である聖霊に満たされ、聖霊に導かれ、聖霊と共に歩むことをさらに豊に経験させてください。


    
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