11月のメッセ−ジ   2003年

 

その人は主の教えを喜びとし、昼も夜もその教えを口ずさむ。その人は水路のそばに植わった木のようだ。」(詩篇12-3)

「十ヶ月先を見る者は花を育て、十年先を見る者は樹を育て、百年先を見る者は人を育てる」という言葉があります。

 プランタンに植える花のひとつさえうまく育てることのできない私ですが、牧師の仕事とは結局は「人づくり」に尽きるのだなとつくづく思わされています。

 イエス様が神の国の完成のために、宣教に先立ち、まず弟子作りをされたのは、1000年後、2000年後、そして終末を見据えての賢明なご判断だったと思わされます。

私たちの教会は1976年に、枚方バプテスト教会の開拓伝道所として産声をあげました。1983年に日本バプテスト教会連合に加入し、名前を宇治バプテスト教会と改称しました。

狭い14坪の古屋から始まった教会でしたが、バブルの絶頂期に三階建ての小さな会堂を購入することができました。その会堂も今では人を収容できず、毎週、近くの広い施設をかりて主日礼拝をささげています。

そのため、「わたしの地境を広げてください」が、教会員のせつなる祈りになっています。きっと主は私たちを「望む港に導いてくださる」と信じています。

同時に牧師として私は、教会の未来を見つめるときに「人を育てる」ことに祈りと愛をそそぐことを教えられています。

20数年前、40人足らずの小さな教会ながら田辺恵雄牧師が指導する枚方教会は、3つの開拓伝道所を生み、4名の牧師を送りだし、多くの献身的信徒を育て、一人一人が各地の教会で信徒として今もなお神様に仕えています。

私もよく田辺牧師から注意され叱られ、そのたびに反抗的にもなりましたが、受けた訓育薫陶は、その後の私の信仰上のかけがえのない財産となっています。

私はどこまでも私でしかありませんが、神の御国の園に、咲き、実を結ぶ「人」という樹を植えて育む働きに、私の持ち味で、精一杯お仕えさせていただきたいと願っています。

                  

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