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シロアム教会 礼拝説教要旨集
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 2019年6月30日 
「神の強い手」加藤豊子牧師
出エジプト記5章1−9節



 「イスラエルの神、主がこう言われました。『わたしの民を去らせて、荒れ野でわたしのために祭りを行わせなさい』と。」(1節)

  モーセとアロンがファラオに告げた、主の言葉です。ここには、神がイスラエル民をエジプトから救い出される意味、目的がはっきりと記されています。祭りを行うため、すなわち神に礼拝をささげるために、救い出されるのです。3章のモーセの召命のところでは「あなたが民をエジプトから導き出したとき、あなたたちはこの山で神に仕える。」(3:12)とありました。神に仕えるため、礼拝する民となるために、ということが語られています。出エジプト記は、あらゆる差別や抑圧に苦しんできた人々を慰め、希望与える書でもあります。しかしそれは単なる奴隷解放の物語だけを語っているわけではありません。



 ファラオは、「主とは一体何者なのか。」「わたしは主など知らない」と言ってモーセの言葉を退けました。そしてさらに、今まではレンガ造りのために必要なわらを用意していたが、これからは与えない。すべて自分たちで集めるようにと命じその上、仕事量は少しも減らさず、前と同じようにその日の割り当てられた仕事を仕上げるようにと要求しました。そこには、抑圧する者が下で働く人々のエネルギーを奪い取ることで反抗勢力を抑え、支配力を強める体制が見えてきます。このことは、モーセやアロンに対する反発を生み、内部分裂まで生じさせられています。



 モーセのなぜ、どうしてこのようなことが、という問いかけに、神は「わたしの強い手によってファラオはついに彼らを去らせる。」(6:1)と答えられました。わたしたちの嘆き、訴えを神は受け止めてくださいます。そして、わたしたちの目には最悪の状況にしか見えないときにも、神の計画は変わることなく進んでいることを覚え、希望をもって歩む者でありたいと願います。
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