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シロアム教会 礼拝説教要旨集
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 2019年4月14日 
「誰のもの」加藤豊子牧師
ルカによる福音書20章20−26節



 主イエス・キリストが十字架へと向かわれる一週間の歩みの中で、祭司長、律法学者たち、民の指導者たちは、主イエスを殺そうと機会を伺っていました。しかし、民衆を恐れてなかなか実行できません。そこで主イエスを罠にはめようと、正しい人を装う回し者を遣わしました。彼らは、あなたのおっしゃることは正しいと、空々しく響く褒め言葉を先ず述べ、その後に、問題の質問を主イエスに投げかけました。



 「ところで、わたしたちが皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」(22節)

 これは、主イエスを陥れるために用意された、実に巧妙な質問でした。もし「皇帝に税金を納めよ」と答えたならば、民衆の多くは主イエスに失望しまた反発することが予想されます。反対に「皇帝に税金を納めなくてよい」と答えたならば、ローマに反逆する者として捕らえ、引き渡すことができます。どちらに答えても、主イエスを追い詰めることができると考えたわけです。



 主イエスは彼らのたくらみを見抜き、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」と答えられました。「神のものは神に」この言葉は先ず、主イエスを殺そうとしている指導者たちに向けて語られているのだと思われます。彼らは良き管理者であることを期待されながら、神のものを自分のもののように扱っていたからです。彼らだけではなく私たちも、神から与えられているものすべてを神のものとして受けとめているか、問われています。自分のものとして握っているのではなく、手離して神の御手に委ねることの大切さが示されているのではないでしょうか。
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