説教の要約:2016年2月
 
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第一主日聖餐式礼拝:2016年2月7日
 
説教者 加藤信治師
 
今週の聖句
「見よ、わたしが選んだ僕、わたしの心にかなう、愛する者。わたしは彼にわたしの霊を授け、そして彼は正義を異邦人に宣べ伝えるであろう。・・・・彼が正義に勝ちを得させる時まで、いためられた葦を折ることがなく、煙っている燈心を消すこともない。異邦人は彼の名に望みを置くであろう」(マタイ12:18-21)
 
題「命を与える義を行うキリスト」(マタイ12:1-21)
1)パリサイ人らは、イエスの弟子たちが安息日に麦を摘んで食べた事を、安息日に仕事をしたと言って非難した。〔空腹を満たすために隣人の麦畑の穂を手で摘む事は許されていた。〕祭司は安息日に宮に仕え働いていた。イエスはご自身を宮よりも大いなる者と顕され、また、「安息日の主である」とも明言して、自分が安息日に対して権能を有する事も教えた。主イエスは神共に居ます方であり、神の国をもたらして下さった方である。
2)パリサイ人らは、会堂で安息日に手の萎えた人をイエスが癒すかどうかによってイエスを訴えようとして、「安息日に人を癒しても差し支えないか」と問うた。主イエスは穴に落ちた羊は安息日であっても助け出すであろうと言われ、「安息日に良いことをすることは正しいことだ」とされた。パリサイ人らは安息日を字義通りに守らなければ納得せず、イエスを殺そうと相談した。
 安息日のもとの意味は、神が天地創造において6日間働き、7日目に休まれた。私たちにもそのように命じられた。「安息日を覚えて聖とせよ。」神が聖であるから、私たちも罪と汚れを離れて、「聖」であられる主のご人格に属する事を行う、神を喜び、賛美し、御言葉に聴き、主にある交わりを持つ。主イエスは、パリサイ人らが説く形式的厳格主義を非難し、「安息日は人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。」(マルコ2:27)と断言し、愛を実践する義務を休息の形式的遵守に優先させておられる。
3)主イエスは、安息日に良いことをすることは正しいこと、許されている、とされた。イザヤ書42章は、53章と共に、苦難の僕について記されている。この世に正義を打ち立てるのに、強大な武力を用い、刃向かう者は討ち滅ぼしてしまう力ある主ではなくて、自分に罪はないのに罪人の一人として裁かれ、何の言い訳もしないで殺され、人に仕え抜く僕である。主イエスは神の義を顕し、実現するために来られた。その道が開かれるために死んで甦って下さった。
 
 
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第二主日礼拝:2016年2月14日
 
説教者 加藤信治師
 
今週の聖句
「このためにユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうと計るようになった。それは、イエスが安息日を破られたばかりではなく、神を自分の父と呼んで、自分を神と等しいものとされたからである。」(ヨハネ5:18)
 
題「イエスを殺そうとした人々」(ヨハネ5:1-18)
1)ベテスダと呼ばれる池の周りに、病気や身体の不自由を抱える人が大勢いて、言い伝えの癒しに与ろうとしていた。そこに38年病気に悩む人がおり、イエスはこの人に、「治りたいのか」と問われた。男は、「人がいつも自分より先に池に入ってしまう」と絶望を述べた。イエスに治りたいとは言わなかった。イエスは床を取り上げ歩くように男に命じたところ、直ぐに癒され、歩いて行った。
2)ユダヤ人たちは安息日に癒したことを問題にして、イエスを責めた。イエスは、安息日であっても「父が働いておられる。わたしも働く」と言われた。それをユダヤ人らは、安息日を破っただけでなく、自分を神と等しい者としたという罪でますます殺そうと図るようになった。
 安息日は人の働きを休止させ、心身に安息を得るだけでなく、聖とする、神の安息に与る、神を喜び、感謝し、賛美する、神と交わり、神の働きに与る、生きて働かれる神に与る時である。絶望の中に沈み込んでいた男はイエスに出会って父なる神の癒しに、神の御業に与った。しかしユダヤ人たちは、安息日にしてはならないことだと言い、イエスの働きを責め、イエスを殺そうとし、神の御業を圧殺しようと図った。
 
 
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第三主日礼拝:2016年2月21日
 
説教者 加藤信治師
 
今週の聖句
「イエスは人々がきて、自分をとらえて王にしようとしていると知って、ただひとり、また山に退かれた。」(ヨハネ6:15)
 
題「イエスを誘拐しようとした人々」(ヨハネ6:1-15)
 イエスは5つのパンと2匹の魚の奇跡を行われ、飢えた人々、救いを求める群衆を満腹させた。人々はイエスを「この人こそ世に来たるべき預言者である」として、捕らえて王にしようとした。自分の必要を満たす王を求めた。「捕らえて」という言葉は、誘惑する、無理に連れて行く、祭り上げる、とも訳される言葉。人をとりこにして、無理に言うことを聞かせ、じぶんのやりたいことをやってのけようとした。主イエスに対して、間違った応答をした。
 主イエスの行われた癒し、身体の不自由の癒し、悪霊の追い出し、奇跡を賞賛し、人々がイエスの後を追い、癒しや不思議に与り、神の恵みを喜ぶ、そのためにイエスを祭り上げ、王にしようとした。しかし、イエスはそれを避け、ひとり山に退かれた。〔世の中で優れた知識、知恵、財力、能力を用いて世から賞賛を受け、用いられた。しかし一方でその大衆の欲求や報道の中で失敗や挫折を味わう出来事を様々な報道に見る。人々に振り回されたり、本来あるべき姿を失うことがある。〕主イエスは人々のもてはやしからひとり退かれ、神の御心を求め、自らを聖別され、父なる神の働きに進んで行かれた。過ぎ越が近い時であった。5つのパンと2匹の魚の大きな神の御業を顕しつつ、しかし人々の賞賛や祭り上げには乗らないで、自らを過ぎ越の小羊として捧げるべき、神の言葉を語られた。自らを天からの命のパンとして顕し、多くの人々がイエスから離れていく出来事に発展していったが、救い主、御子としての道を貫かれた。
 私たちも神を自分の必要や欲求を満たし実現してくれる都合のいい神として崇め利用しようとしているのでは、この群衆と同じである。主イエスに倣う者としていただこう。
 
 
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第四主日礼拝:2016年2月28日
 
説教者 加藤信治師
 
今週の聖句
「それ以来、多くの弟子たちは去っていって、もはやイエスと行動を共にしなかった。そこでイエスは十二弟子に言われた、『あなたがたも去ろうとするのか』。シモン・ペテロが答えた、『主よ、わたしたちは、だれのところに行きましょう。永遠の命の言をもっているのはあなたです。・・・・』。」(ヨハネ6:66-68)
 
題「イエスを捨てた人々」(ヨハネ6:1-15、22ー69)
 5千人の給食の主イエスのしるしを見た人々は、肉体を養うパンを与える預言者を求めてイエスの後を追ったが、イエスは永遠の命に至る朽ちない食物のために働きなさいと言われた。その問答から、イエスはご自身を、「天から降ってきて、まことの命を与える、命のパンである」、「わたしに来る者は決して飢えることがなく、信じる者は渇くことがない」と言われた。イエスが与えるパンは「世を生かすためのイエスの肉(6:51、新共同訳)、人類の救いのためにささげる、わたしの体(LB)」であり、わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者には、永遠の命があり、わたしはその人を終りの日によみがえらせる」(6:54)。「生ける父がわたしをつかわされ、また、わたしが父によって生きているように、わたしを食べる者もわたしによって生きる」(6:57)と言われた。これを聞いた人々は、天から降ってきたと言うが、ヨセフの子ではないか、どうやって自分の肉や血を飲ませることができるのかと、イエスの言葉につまづき、イエスから去って行った。
 しかしイエスは天から降ってきた命のパンであり、その言葉とわざをもって父なる神を示し、永遠の命を得させる教えや働きを示し実践し、弟子たちに受け継がせた。主イエスを信じ、主イエスに従うことによって父なる神が共におられ、永遠の命が与えられる。イエスの血によって罪が赦され、清められ、また新しい契約に生かされる。
 キリストは、罪や神の命から切り離され、罪や死に支配され死に向かって引き寄せられていく人の歩みではなく、神の御言葉・命のパンによって真理を知らせ、天国に向かう歩みへと導いて下さる。その命のパンを食べ続けることによって、命に与り、イエスの血を飲み続ける、キリストの新しい契約にあずかり続ける者として下さる。
 
 
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第主日礼拝:2016年月日
 
説教者 加藤育代師
 
今週の聖句
 
 
 
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