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2013年7月21日（日）主の祈り連続説教-3「神の御国」 説教：蓮見和男 聖句 旧約 日本ではよく「天国」と言います。別に信仰のない人でも使います。「お父さんは今、天国にいる」とか、「天国であいましょう」と言います。けれども決して「神の国」とは言いません。神さまを信じていないのですから。しかし、今日学ぶのは、信仰なしにも使える天国ではありません。「神の国」であります。俗的天国では、「御国が来る」、「御国を来らせたまえ」とは言いません。「天国に行く」にしても「入る」にしても人間中心の言葉です。しかし、「御国が来る、来らせたまえ」は、私が主語ではなく、神の国、御国が中心です。イエスは「悔い改めよ、神の国は近づいた」と言いました。「天国に入る」では、誰でも自然に死んだら、神の国に入るようにも取れます。「悔い改め」はありません。今、｢キリストの宣教において、神の国は近づいて来ている｣、あなたは、それに向かって用意しなさいと言うのです。 ここで学ぶ「神の国」は、死に直接、自然につながっている通俗的「天国」ではありません。イエス・キリストの前に立って、「悔い改めて」、近づく「神の国」に目覚め、神の国にふさわしい用意をすることであります。「悔い改め」とは１８０度の転換を意味します。もし生活の中で、「私中心」から「神中心」に転換するなら、それが悔い改めです。私たちは生まれながらに自己中心で生きています。この徹底した自己中心の生き方を、聖書では「罪」と呼んでいます。信仰とはそこから、つまりこの罪から、１８０度転換することです。信仰においては、「神中心」ということと「他者中心」ということとが重なってきます。神を愛する時、「自分自身を同じように隣人を愛しなさい」と言われます。ここでも神を愛することと、隣人を愛することとは、つながっているのです。そしてこれら二つ（神中心と隣人中心）に相反するものは、自己中心であります。したがって悔い改め（１８０度の転換）とは、自己中心から、神中心、隣人中心に転換することです。 次に「神の国や天国に入る」のではありません。私が主語ではありません。「神の国が来る」、「御国を来らせたまえ」です。すると主語は、私ではなく、「神の国」か「神ご自身」です。そこにすでに悔い改め、１８０度の転換があります。なぜなら、私が主語でなく、神が主語、あるいは神の国が主語だからです。皆さんにとって神が主語になっていますか、それとも信仰をしていながら、いまだに自分が主語になっていませんか。この主語が変わること、これが一番大切です。 今日の詩編の御言葉を見てください。ここには「主に帰り」とか、「み前に伏し拝み」、「国は主のもの」、「主はすべおさめられる」、これらすべて主が中心であります。 こうして考えて見ると、聖書はすべて神もしくは神の国が中心です。悔い改めとは、自分中心から、神中心、神の国中心に１８０度転換することです。そして初めて次の「来らせたまえ」（来てください）が十分意味をもって迫ってきます。神の国とは、私中心で「私が入る」のではありません。神が中心で、神の国自身が、この私に向かって迫って来るのです。神の国は、人間の善意の美しい国ではありません。そこには人工の美しさはあっても、肝心の神さまが不在です。それでは神の国ではなく、人工の人間の国であります。このような人間中心の考え方から、１８０度転換しなければなりません。あるいは、この転換の中に、信仰があり、神の国があると言うこともできるでしょう。 さて私たちは日毎の生活の中で、いろいろ悩みや苦しみや心配があります。しかし、それらすべて、生活の中の問題群は、今言った信仰的１８０度の転換、悔い改めによって解決に導かれるでしょう。そこにイエスの言われた、「悔い改めよ、神の国は近づいた」の深い意味があるのです。神の国はそれ自身で、あなたに向かってやってくる、だからあなたは転換しなさい、このあなたに向かって来る神の国を信じて、新しくなりなさい。これが今日のメッセージです。 |
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