日本キリスト教団

2021.10.31 説教ダイジェスト
礼拝説教要約
「夕べがあり、朝があった」
宗教改革記念日 創世記1章3-13,
エフェソの信徒への手紙1章15-19節
 パウロは、エフェソの信徒に向けて手紙を書き、信仰を励まし、さらに「神を深 く知るようになる」(17節)こと、「心の目が開かれる」(18節)こと、「神の力 が、どれほど大きなものであるか、悟らせてくださるように。」(19節)と願う。 このエフェソの教会の兄弟姉妹は、異邦人、もともと神を知らない人々であり、罪 の中に神の怒りを買う惨めな人たちだった。しかし、今、神を知り、悔い改め、キ リストの救いにあずかるものとなった。だから、信仰を失わず、さらに神の素晴ら しさに目を開かれるようにと願い祈る。

 イスラエルの王ダビデは、自分の罪に気がついた時、神の前に大いに悔い改めた。 だからダビデは、神の民の王なのだと聖書は告げている。詩篇51編3節以下「3 神よ、わたしを憐れんでください/・・・背きの罪をぬぐってください。・・・5 あ なたに背いたことをわたしは知っています。わたしの罪は常にわたしの前に置かれ ています。・・・12 神よ、わたしの内に清い心を創造し/新しく確かな霊を授けて ください。」

  今日は宗教改革記念日 マルチン・ルターが「95箇条の提題」をヴィッテンベ ルクの教会の扉に貼り付けた日。その命題1「わたしたちの主であるイエス・キリ ストが、「悔い改めよ」と言われた時、彼は信ずる者の全生涯が悔い改めであること を欲したもうたのである。」私達は、イエス・キリストの十字架と復活により、罪を 赦されたと信じる。この信仰の故に救われる。

 私達の人生に心塞ぐ時がある。信仰生活に喜びがなくなり、希望がないと思う時 があるかもしれない。何も信じることができなくなる日があるかもしれない。神を 信じることの意味のなさない時がある。救いの光を忘れた、信仰の闇がある。しか し、エフェソの兄弟姉妹には、神の民ダビデ王には、信仰を見出す時が備えられて いた。悔い改めの日があった。信仰の闇から明るい世界へと、救いの世界へと招か れた。

  パウロは、エフェソの兄弟姉妹に、今この時、目の前には明るい光に照らされた 救いの世界が広がっていると信じ、今日というこの日は神様の救いに与る日、神様 の慈しみが溢れる日だということを信じ続けてほしいと願っている。 2

 私達の歩みの中で、何度も信仰の闇へと引きずり込まれる。しかし、繰り返し繰 り返し、自分の罪深さを知り、惨めさを知り、神の愛を思い起こして、何度も悔い 改める。神を信じ直す。そうやって、私達は今この時、この世界に神の救いが溢れ、 愛が溢れていることを信じ続けていくのだ。命題1「わたしたちの主であるイエス・ キリストが、「悔い改めよ」と言われた時、彼は信ずる者の全生涯が悔い改めである ことを欲したもうたのである。」神様は、何度も信じなさいと呼びかけ、招いておら れる。信じて、神様の世界に生きよう。神の光の世界に生きよう。

  創世記1章、天地創造の場面。一日ごとにまとめの言葉が記されている。繰り返 されるのは、「夕べがあり、朝があった。第〇の日である。」という言葉。ユダヤで は一日の始まりは日没、「夕べ」から始まる。夕べになり、闇の夜を通り越して朝に なり、昼になり、1日が終わり、夕べになる。だから、ここでも「夕べがあり、朝 があった」と言う。天地の始めは闇。そこに光が創造された。闇から明るい世界へ と移っていく。闇から救いへと神様はこの世界をお造りになった。この世界は、神 様の「光あれ」という言葉によって、闇を乗り越えた世界。救いの世界である。こ のことを覚え続ける。

 そして、天地創造の6日目、神はすべての創造の御業を終えた。「夕べがあり、朝 があった。」明るい朝になった。ついに7日目。これで完成。7日目にはもう「夕べ があった」とは書かれていない。救いが完成した7日目、夕べはなく、この世界は ずっと明るい世界。ずっと神様の救いの世界。それは今日まで続いている。創世記 では、この世界は闇の世界ではない。神の光が輝く明るい世界、救いの世界であり 続けている。

  パウロはエフェソの兄弟姉妹に勧めている。「17 どうか、わたしたちの主イエス・ キリストの神、栄光の源である御父が、あなたがたに知恵と啓示との霊を与え、神 を深く知ることができるようにし、 18 心の目を開いてくださるように。」

 私達が神様の明るい世界を見出す時、神様のことをいよいよ深く知る時、それは 自らの弱さや惨めさを神様が受け止めてくださり、愛し赦してくださることを身を もって信じる時ではないだろうか。悔い改めるごとに、神様の救いの世界が私達の 前に広がっていることに目を開かれていく。私達の弱さ、惨めさを受け止め、救い へと招いてくださる神様に希望を見出していこう。




   
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