日本キリスト教団

2021.06.27 説教ダイジェスト
礼拝説教要約 「命の尊さ」
マタイによる福音書6章25-34節
 今、私たちの社会、私たちの世界は、新型コロナウイルス感染により、多くの 人が自分の命のこと、自分の身体のことを思い、悩まされています。非常事態宣 言が出ると経済的に行き詰まり、今日の食事の心配をせざるを得ない。このよう な苦しい状態が一日も早く終息するように祈っています。

 「命」ということを、世界中の誰でもが大切なものだと思っているということ を思わされます。そして、今日の聖書の言葉では、イエス様は命ということを心 に留めることで、私たち人間と神様はつながっているということを教えてくだ さっています。命ということは、私たちに神様のことを思い出させます。

 私たちに命を授けた神様は、命が続くように養ってくださっています。命を授 け養う神様を信頼してみませんかとイエス様は招いておられます。空の鳥も野 の花も、神様に命を授けてもらい、神様に命を守られ養われている。そのように、 人間一人ひとりも神様に養われているのだと思って、命を養ってくださる神様 を信頼しませんかというのです。

 私たちは思い煩ったり思い悩んだりすると、自分を見失ってしまいます。思い 悩みの種になったことが頭から離れない。自分で何とかしようと力んでしまう。 思い悩みの種が何よりも重大なことになり、そのためにすべてを失っても良い というほどに思い詰めるのです。思い煩い、思い悩みが、自分を見失わせ、命の ことを忘れさせ、命を痩せ細らせてしまいます。
 
  イエス様は、私たちの命を養う神様を信頼して生きていきませんかと招いて います。この世に生きていると、思い悩まないことはできません。だから、思い 詰めないで、神様に心を開いてみませんか、あなたの心の中の握り拳をふっと力 を緩めてみませんかというのです。

 イエス様は言われます。空の鳥、野の花を、命を神様は養っておられる。それ ほどに、命は大切なものだと言われています。そして、空の鳥、野に咲く花、そ れ以上に、人間一人ひとりの命を神様は大切に思い、養ってくださっている。だ2 から、安心してほしい、思い悩まないでほしいと願っておられます。神様の慈し みを思いながら、日々を過ごしたいものです。

  テレビのクレジット会社のコマーシャルで、「プライスレス」と言っていまし た。価値を計ることができないほどに価値があり、意味の大きい出来事や経験が あります。こんなにお金を使ってしまったのかと嘆くのではなく、使って良かっ たと思える。そのような意味のある目的は、お金の価値を増し加えます。お金を 生かし用いていることになります。
 
  星野富弘さんの詩「いのちが一番大切だと思っていたころ生きるのが苦しか った。いのちより大切なものがあると知った日、生きているのが嬉しかった。」 重い障害を背負うことになり、命のこと、生きることを案じたのです。けれど、 神様が心の中に入ってこられると、命のその先を思うようになったということ でしょうか。命よりも大切なものがあると知ることによって、命が守られました。

  イエス様は言われます。33節「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。 そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」神の国と神の義、平たく いうと神の救いです。魂の救い。神様の救いを思うと、私たちの心は平和になり ませんか。拠り所があることを思い出すと、心の力を緩めて、神様の救いがある から大丈夫だと思います。こうすれば、思い煩いの種も少なくなっていくのでは ないでしょうか。

  弟子ペトロがイエス様をメシアだと告白した時、イエス様は言われました。 「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに 従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命 を失う者は、それを得る。」(16:24~26)神様の救いを信じることが、私 たちの命を救います。神様の救い(永遠の命)は、肉体の命よりも大切なもので す。神の救い、魂の救い、これを尊ぶこと、信じることが、ひいては私たちの命 を救います。私たちは「生きているのが嬉しい」という歩みに招かれています
   
 愛隣こども園
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