[説教断片]

 説教:いのちの身づくろいをして
    
(2008年7月20日 徳田 宣義牧師)

 聖書:ローマの信徒への手紙13章11〜14

  現在、洗礼をお受けになりたいと求道者会に出席されている方
 が、4名あります。今も神が生きて働いておられ、私どもの教会を
 導いてくださっていることが、よくわかる思いがいたします。洗礼を
 申し出られるということは、「今がどんな時か知っている」 私どもの
 教会の仲間になりたい と願われるということです。 では、洗礼を
 お受けになる方が、これから知ることとなる 「今がどんな時か」 と
 は、どういう時なのでしょうか。

   神と心通じ合うことなく生きることを、聖書は罪と語ります。神と
 心通じ合う正しい関係を、私どもに回復するため、主イエスは、こ
 の地上に来て下さいました。 そして、主イエスが十字架に架から
 れ、お甦りになられ、始まっている救いが、やがて天に昇られた
 主イエスがもう一度来られる時に完成する。その時に、私どもも、
 世界も、全く新しくされると聖書は語ります。しかし、今はまだ、そ
 の間にある時です。 しかし、私どもの教会には、すでにこの救い
 の光がはっきりと届いています。ですから、パウロはこの桜新町
 教会の私どもに 「今は、あなたがたはどんな時か知っている」 と
 語ります。そのことの一つのしるしが、洗礼入会の時であるので
 す。 ここで、私どもは、牧師の置いた手に、主イエスの手が重ね
 られたことを信じます。それほどに主イエスは近く、洗礼を受けた
 人は、キリストを身にまとうことになるのです。ですから、洗礼は、
 主イエスのものとなり、生きている時も、死ぬ時も、主イエスが守
 ってくださるという喜びの中に解き放たれることとなるのです。

  今、私どもは神に招かれて教会の礼拝の只中にいます。 それ
 は、なぜでしょうか。 1週間、私どもは 自分に与えられた場所で
 生きています。 だからこそ礼拝で、キリストをまとっている、その
 襟を正していただきます。神の前で命のみづくろいをするのです。
 そして、何よりも 「今や、わたしたちが信仰に入ったころよりも、
 救いは近づいているからです」 という言葉を聞きます。そこで、主
 イエスが天から来てくださるのを教会の仲間たちと待ちながら、主
 よ、来てくださいと祈るのです。 

   この色を失った世界で、青ざめた顔で、人を押しのけながら生
 きる競争社会に私どもは生きています。負けたら、後がない戦(い
 くさ) を皆がしています。ですから、夜の闇のような世の中で、酔っ
 払っていなければやっていられないところがある。いや実際にアル
 コールを飲まなくとも、酔ったように、自分を忘れて生きるしかいな
 い。 悪い夢を見ていると言い聞かせて生きるしかない。しかし、主
 イエスは、私ども一人一人の名前を呼んでくださり、 目を覚ますよ
 うにおっしゃってくださる。そして着るべき衣を、忘れないようにとお
 っしゃられ、 着ていない人には、用意してくださっていることを教え
 てくださる。 ですから、私どもは、このお方を着る。 心を込めて着
 る。そして、神の御心に生きるのです。 このお方を着る時、私ども
 は、神の側から救いの光が射していることがわかるようになります。
 そして、やがてもう一度天に昇られた主イエスが来てくださり、私ど
 もと世界が全く新しくなる時がくる。その約束の希望を私どもが信じ
 る時、世界は色を取り戻します。私どもも愛の表情を取り戻します。
 主イエスがいつ来られてもよいように生きることができます。 それ
 がキリストを身にまとう人の生き方となるのです。

   洗礼をすでに申し出られた方々は、今、主イエスを身にまとう準
 備をしておられます。そしてどうぞ、まだ洗礼をお受けになっていな
 い方も、このキリストをまとってください。あなたの衣も ちゃんとあり
 ます。あなたの分も、主イエスが命をかけ、血を流して、あつらえて
 くださいました。 どうぞ、この方を身にまとって、生きてください。 あ
 なたの名前も呼ばれているのです。

  そして、すでに洗礼をお受けになっている方々は、どんな時にも、
 主イエスが包み込んでくださっていることを忘れないでいてください。
 その身を守るようにして、私どもと共にいてくださるからです。そし
 て、この衣は、私どもの肉体が、たとえ火葬場で焼かれることが
 あろうと、私どもを守ります。神の御許へ届けます。そして、この
 衣を来ている者だけが、神の裁きに耐えることができるのです。
 あなたのことを、手を広げて父なる神は待っていてくださいます。
 抱きしめてくださるのです。


                                 完


 説教断片のリストに戻る


※ ここは、桜新町教会のサイトです。コンテンツの著作権は桜新町教会に帰属します。