平和

2022年8月14日


福音書  ルカ12:49~56 (新133)
49「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。 50しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。 51あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。 52今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。53父は子と、子は父と、母は娘と、娘は母と、しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、対立して分かれる。《54イエスはまた群衆にも言われた。「あなたがたは、雲が西に出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言う。実際そのとおりになる。 55また、南風が吹いているのを見ると、『暑くなる』と言う。事実そうなる。 56偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。《

8月の日本は平和を祈る時期です。祈りながら、戦争を覚えます。広島と長崎での原爆の悲劇、天皇陛下の戦争の降伏と,平和条約の締結。この沖縄には、平和の為に祈る「平和祈念公園《があります。日本の皆さんと共に、私達も世界平和の為に祈ります。しかし、本当に平和になるでしょうか。私達の祈りがかなえられますか。イエス様は、平和を約束しません。今日の福音書の日課で、イエス様はこのように言われました、51、「あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。《 そして、この世は本当に分裂されています。

では、もし世界平和でなければ、家族の中での平和はどうでしょうか。残念です。父、母、兄弟姉妹は、カインとアベルの時以来、いつも喧嘩ばかりです。その上に、イエス様は、その家族の分裂の原因が、ある人が福音に従うからと言われました。52-53節、「今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。父は子と、子は父と、母は娘と、娘は母と、しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、対立して分かれる。《イエス様や使徒達の時代から今まで、この宗教の争いがあります。例えば、日本では、息子や娘がキリスト教会に入りましたら、仏教の親に嫌われて、遺産を失うケースがあります。又、キリスト教の宗派と宗派の間の争いもあります。例えば、プロテスタントの男の子がカトリックの女の子と結婚したいと思いましたら、お父さんは「良かった《と思いますが、お母さんは反対になるケースがあります。(又、米国では、ルーテル教会の一つの教団の人が他のルーテルの教団の人と結婚したいと思いましたら、争いになるケースがあります。)イエス様はこのような事を予言したので、平和の希望がありますか。

では、世界の平和や家族の平和がなければ、自分の心の中に希望の可能性がありますか。イエス様は弟子達にこのように言われました、ルカ12:22、「言っておく。命のことで何を食べようか、体のことで何を着ようかと思い悩むな。《又、野原のユリを考えなさい。空の鳥のように自由になりなさい。この世界の問題や自分個人の問題がありますので、心配と上安が私達の毎日の人生の一部になっているみたいです。それで、信仰を持って主の祈りを祈ります。主が日毎のパンを下さり、心配と恐れの誘惑から守るように祈ります。しかし、心配し続けます。平和の希望を捨てますか。

まだまだ、諦めないで下さい。平和こそは、福音のメッセージです。新約聖書の中で最初に話した言葉は、平和の言葉です。ルカ1:13、天使ガブリエルはザカリアに話しました、「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと吊付けなさい。《その後、似ている言葉をヨセフに言いました、マタイ1:20-21,「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと吊付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。《そして、勿論、クリスマスの天使達が歌いました、ルカ2:14、「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。《又、聖パウロは手紙の最初に、このような挨拶をしました、ガラテヤ1:3、「わたしたちの父である神と、主イエス・キリストの恵みと平和が、あなたがたにあるように。《

この平和は、神の愛と罪の赦しです。この平和は、自分が主の手の中にいると知る事です。この平和は、自分自身の復活と天国での永遠の命を信じて信頼する事から来ます。ですから、地上の戦争、争い、病気、喧嘩、失敗などの中で、安心する事が出来ます。

この平和は、平和の君であるキリストから来ます。海の嵐の時に、イエス様は、平和的に船の中で寝ていました。敵が襲った時、平気でした。しかし、新約聖書の中で、2つの時、上安を表しました。一つは、エルサレムの神殿を清める時です。もう一つは、ゲツセマネの園の時でした。ルカ22:41*44、「そして自分は、石を投げて届くほどの所に離れ、ひざまずいてこう祈られた。『父よ、御心なら、この杯を私から取りのけてください。しかし、私の願いではなく、御心のままに行ってください。』すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。《  ご自分の苦しみと死について、今日の福音書でこのように言われました、ルカ12:50、「私には受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、私はどんなに苦しむことだろう。《

イエス様の苦しみは、私達の罪を赦しますので、最高の平和を下さいます。フィリピ4:7、「そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。《 エフェソ2:14、「実に、キリストは私達の平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊しました。《 「キリストは私達の平和であります。《

今、この平和の約束が私達の心の中にあるので、世界平和の為に祈ります。イエス様は言われました、マタイ5:9、「平和を実現する人々は、幸いである、/その人たちは神の子と呼ばれる。《世界平和や家族の平和や社会的な平和でしても、平和を作るには、呼ばれている神の子になる事が必要でしょう、即ち力強い天使のようになる事が必要でしょう。いや、祈ったり、赦したり、愛を実現したりするただのキリスト信者のようになったら良いでしょう。アーメン。

フィリピ4:7、「あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るように。《アーメン。

マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会


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