あの狐に伝えなさい

2013年2月24日
受難節第2主日


ルカ13:31−35
13:31 ちょうどそのとき、ファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」
13:32 イエスは言われた。「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。13:33 だが、わたしは今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。預言者がエルサレム以外の所で死ぬことは、ありえないからだ。
13:34 エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。13:35 見よ、お前たちの家は見捨てられる。言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言う時が来るまで、決してわたしを見ることがない。」

ヘロデ王はイエス様を殺したいと思いました。ある親切なファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエス様に警告しました。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」真面目なおどしでした。以前、このヘロデはバプテスマのヨハネを牢に入れて、殺しました。それで、その人達はイエス様に警告を言いました。その所から逃げて安全な所に行ったほうがいいと勧めました。イエス様はその警告を分かって、どんなに危ないか分かりました。しかし急いで逃げませんでした。何故ならば、そのガリラヤ地方に仕事があったからです。それが終わりますとエルサレムに行きます。そのしなければならない働きとは、人を癒したり、悪霊を追い出したり、例え話しを話したり、福音を述べ伝えたりする事です。そして、その働きをするには数日かかります。

しかし、イエス様はヘロデ王に逮捕されてはいけません。イエス様はエルサレムで、十字架上で死ななければなりません。ヘロデ王よりもエルサレムの方が危ないでした。ヘロデ王はバプテスマのヨハネを殺しましたが、エルサレムの長い歴史は、多くの預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺しました。それで、イエス様はエルサレムを恐れて、そこに住む人々を憎むべきだろうと思うでしょうが、イエス様は彼らを愛しました。彼らを助け、救いたいと思いましたが、彼等はイエス様による救いを拒(こば)みました。イエス様はその愛とそのフラストレイションをこのように現しました、「めん鳥が雛を羽の下に集めるように、私はお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。」

イエス様は御自分にその警告を伝えた人々に言われました、「「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。」その狐に、ほっといてくれと伝えなさい。神の働きをしなければならいからです。イエス様の人生にはミッソンがありました。生まれたのは、死ぬ為でした、死ぬのは復活する為でした。私達の為に生まれ、私達の為に死んで、私達の為に甦りました。彼のご生誕によって、私達には新しい生まれがあります。彼は罪人である私達と共に死にました。最後の日に復活する私達と同じように、先に復活しました。しかし、イエス様の死と復活は、エルサレムで行なわれなければならないので、ヘロデ王はそれを邪魔にしてはいけません。それで、イエス様はエルサレムに行きます。今度行く時は棕櫚(しゅろ)の日曜日になります。ロバに乗って入場します。その時人々はイエス様を迎えます。棕櫚の枝を持って歌います。「ホサナ!主の名によって来られる方に、祝福があるように」と。「万歳!王様万歳!」と。大喜びでイエス様を迎えました。そしてその週の金曜日は、王に冠をささげます。茨の冠で、十字架が王座でした。

しかし、その前には、イエス様には仕事がありました。ヘロデ王は邪魔してはいけません。「行って、あの狐に、『今日も明日も、仕事がある』と私が言ったと伝えなさい。」しかしイエス様の働きの邪魔をしようと思う人は、ヘロデ王だけではありませんでした。イエス様は御自分の苦しみと死を予言した時、ペテロは言いました。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」と。しかし、イエス様は、ペテロを「狐」よりひどい名前で呼びました。言われました、「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」(マタイ16:22-23.)

ユダヤ人達はイエス様を逮捕して、裁いて、死刑に宣告しました。それでイエス様の働きを止めさせるだろうと思いました。しかし、実は、この事によって神様の御計画を果たしました!十字架の下に立てイエス様をののしる人は神様の御計画を邪魔しようと思いました。「十字架から降りて来い」と叫びました。

しかし、地獄と死とお墓でさえも、神様のご計画の邪魔になりませんでした。お墓の入り口が開かれまして、イエス様は甦りました。私達の罪が赦されました。救いの働きが終わりました。

神様の御計画の次の段階とは、世界伝道です。聖霊の導きによって、多くの邪魔な物を越えて、福音宣教が進みます。

いつもと同じように、現代にも宣教の反対ものは、政治的、経済的、社会的、科学的、哲学的なものがあります。習慣と異教となまけと頑固(がんこ)とつめたい心があります。しかし、一番大きい問題とは、昔から今も同じで、それは罪と不信仰です。

キリスト信者にとってさえも、福音を理解して信じる事が難しい時があります。復活と永遠の命と幸せの教えが好きです。しかし、命が死によって来る事、喜びが苦しみと悲しみによって来る事を理解しづらいです。自分の罪が十字架上でイエス様を殺した事を認める事が難しいです。自分が悔い改めたくないと思う時、救いを受ける邪魔をします。イエス様がいないように人生を送ろうと思う時、イエス様から逃げる事です。しかし、イエス様は私達を愛します。私達とすべての罪人に語る愛の言葉とは、エルサレムに語った言葉と同じです。「めん鳥が雛を羽の下に集めるように、私はお前の子らを何度集めようとしたことか。」

悪魔は賢(かしこ)くてずるいものです。サタンは狐のようです。ある時、誘惑(ゆうわく)された時に、それが罪でると分かりませんが、普通は、罪であると分かります。その時、悪魔に抵抗する為に、どこから助けを得る事が出来るでしょうか。イエス様の言葉が役に立つでしょうか。狐である悪魔に「邪魔しないでくれ。仕事があるからです。人をいやして助けます。悪魔の狐のようないたずらに困った人に良い言葉を言います。

「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。」聖霊よ、力と助けを下さいと祈ります。イエス様よ、守りと救いの為に、羽の下に私を入れて下さい。

アーメン。

マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会


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