私達がかまれたのです。毒性の強い炎の蛇に噛まれていません。その最初の蛇である悪魔に噛まれているのです。私達は荒れ野にいたイスラエル人のようです。神様がその毒の炎の蛇を送られる前も、イスラエルの民はもう既にサタンにかまれていました。イスラエルの民はエジプトから出て、シナイ山のふもとで数ヶ月キャンプしまして、約束の地への旅を始めたのです。しかし、その後に、カナン地方についての情報をその土地を偵察した人から聞きました（民数記13章）。その土地の豊かな果物などについて聞いて嬉しかったですが、そこに住んでいる人々が大きくて、巨人のようでした（民13:33）。多くのイスラエル人が不平を言いました。そして、もうがまんできませんでした（新改訳―民21:4）。荒れ野の中では水が少なく、食べ物はマンナだけで、それにもう飽きてしましました。モーセや神様に対して反抗しました。言いました、「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのですか。荒れ野で死なせるためですか。パンも水もなく、こんな粗末な食物では、気力もうせてしまいます。」神様はその人々を特別な方法で罰しました。その罰の目的とは、御自分が本当に彼らの神であると示す為です。その毒の蛇が多くの人々をかみました。多くの人が死にました。しかし、その目的とは、人々が悔い改めて神様を信じる為ですし、モーセと神様に信頼させる為でした。モーセは民の為に祈りました。そして神様はこの命令を言われました。21:8-9、「あなたは炎の蛇を造り、旗竿の先に掲げよ。蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。」21:9 「モーセは青銅で一つの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た」これはマジックではないし、遇像礼拝のようでもありませんでした。旗竿に掲げた蛇は、死んだ蛇の像でしょう。神様を征服した蛇でしょう。人々が、その青銅の蛇を見たら、その毒の炎の蛇を征服したのは主なる神様であると分かりました。神様は彼らを大事にして、飲み水や食べ物を与え、そして、ようやく約束の地に導く事が分かりました。この信仰が人々を癒して救いました。

私達はかまれています。しかし毒性の炎の蛇に噛まれていません。その最初の蛇である悪魔に噛まれています。私達は荒れ野のイスラエル人のようです。罪の奴隷状態から救い出されたので嬉しいです。ヨハネ３：１６は私達の耳には綺麗な音楽のように響きます。私達を愛するように、私達を救うようにという神様の素晴らしい約束です。しかし、私達の人生の中では、天国の約束の地に入る前に、自分が荒れ野の中にいるように感じます。その時、サタンが私達をかみます。その時、私達はもうがまんできません。人生の中で困っている時、神様の愛を疑います。家庭や家族の問題があります。経済の問題があります。病気やケガや死があります。失望と失敗と失ったものがあります。

そのような時、私達はかまれます。サタンは炎の蛇のようです。私達の思いと気持ちに毒を与えます。神様の愛を疑わせます。自分が約束の地に本当に入るかどうか疑わせます。自分の問題が大きくて、神様が助けられないように思わせます。自分が赦される事が出来ないひどい罪人であるように考えさせます。自分の罪が神様を拒否する事であるように考えさせます。その炎の蛇が噛んだ傷は燃え上がる炎のようになります。私達はお互いに争います。自分自身の心と戦います。私達の信仰を弱くする毒です。神様を愛する事よりも、闇の方を好みます。この闇とは、神様がいないで生きる事です。闇は罪を愛する事です。闇は自分の悪い行いが明るみに出されるのを恐れる事です。（ヨハネ3:20）。

イエス様は神様の光として来られました。イエス様は世の光です。闇の中を照らします。私達の罪を現します。私達は真理が分かります。自分が罪人であると分かります。神様の光が私達の心を照らすと、自分が罪人であると分かります。その時、その光の源を発見します。そのサーチライトの光とは十字架です。そして更に発見するのは、その光が自分に当（あ）てられているよりも、イエス様に当てられています。神様の光の目的は、私達の事を現す事だけよりも、イエス様の事を現す為です。

光のピントはイエス様に合わされています。ここで十字架上のイエス様を見ます。その時、その奇跡の癒しが繰り返されています。ヨハネ3:14-15を読みます、「そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。」それで、私達はイエス様を見上げます。この癒しはマジックではありません。神様を信頼する信仰が私達を癒します。神様が自分を愛して下さる事を知る事です。自分が人生の荒れ野の中にいる時でさえも、神様が自分を愛して下さる事を知る事です。生きる為の最低の必要なものが少ない時も、水、食べ物、愛が足りない時でさえも、神様が自分を愛して下さる事を知る事です。

イエス様が蛇にかまれました。人間の堕落のすぐ後、神様はその蛇を呪いました。創世記3:15は言います、「お前と女、お前の子孫と女の子孫の間に／わたしは敵意を置く。彼はお前の頭を砕き／お前は彼のかかとを砕く。」これは、人間と悪魔の絶えまない争いです。蛇は、蛇の頭を踏み殺そうと思う足のかかとをかみます。そして、最後にこの争いは、イエス様と悪魔の間で起こります。イエス様は悪魔の頭を砕きますが、その時、悪魔はイエス様をかんで、その毒がイエス様を十字架上で殺します。この箇所、創世記3:15が「最初の福音」と呼ばれています。福音であるのは、悪魔との戦いで死ぬ為に神様が御自分の愛する子を与えるほどの最高の愛を表すからです。福音であるのは、悪魔に対する最後の勝利を宣言するからです。

私達はかまれたのです。しかし、その毒のくすり、その解毒剤とは、ヨハネ３：１６です。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」その解毒剤とは、私達を赦して下さる、私達を癒して下さる、約束の地に導いて下さる十字架上のイエス様を見上げる事です。

アーメン。

マイケル・ニアフッド、牧師
沖縄ルーテル教会