1.士師記の時代は堕落の繰り返しによる負のスパイラル
@滅ぼし尽くせという神の命令を民は守らなかった
ユダ:鉄の戦車を持つ平野の住民を追い出さなかった (1:19)
ベニヤミン:エルサレムのエブス人を追い出さなかった (1:21)
マナセ:ベト・シェアン,タナク,ドル他を占領せなかった (1:27)
エフライム:ゲゼルのカナン人を追い出さなかった (1:29)
ゼブルン:キトロン,ナハラルの住民を追い出さなかった (1:30)
アシェル:アコ,シドン,マハレブ他を占領せなかった (1:31)
ナフタリ:ベト・シェメシュ等の住民を追い出さなかった (1:33)
A残存した異邦の民は偶像崇拝をイスラエルに及ぼした
民は主を捨てバアルとアシュトレトに仕えた (2:11-13)
バアルもアシュトレトも元々イスラエルにはなかった偶像
異邦の民を残してしまったため異教の神が入り込んだ
B士師の時代は堕落→苦難→悔改め→安定の繰り返し
オトニエルから始まってサムソンに至るまで堕落→苦難→悔改め→安定の繰り返し
神から離れて堕落→敵に攻められ支配され苦しむ
→神に立ち帰る→士師が現れる→解放される→忘却
2.堕落と回復の繰り返しで民はどんどん悪くなった
@宗教的混乱状態に陥っている
ミカの家:銀の彫像と鋳造 (17:4) ← 偶像安置
神殿を所有 ← 個人的な神殿所有は律法上あり得ない
息子の一人を自分の祭司に (17:5) ← 勝手な決定
Aダン族は正義を捨て悪を正当化し横暴になっていた
ミカの家から神々と祭司を奪って逃げておきながら
問いただされると「殺すぞ」と脅しにかかった(18:15-27)
Bベニヤミン族の人々はまるでソドムのような状態に
「お前の家に来た男を出せ。その男を知りたい」(19:22)
←まるでソドムのよう ソドムの人々「今夜お前の所へ来た連中を連れて来い」(創19:5)
結局ベニヤミン族は他の部族と戦うことになった→ベニヤミン族は男600人にまで減少→存亡の危機に
3.神はサムエルを用いてイスラエルの堕落を止めた
@イスラエルの民の堕落を神は放置されなかった
神は、堕落した民を繰り返し「敵を用いて」苦難を与え神に立ち帰らせた(2:19)
悪くなる一方だったが、最後の士師としてサムエルが立てられた→堕落にとどめをさされた
サムエルは祭司、預言者、霊的指導者として力強く働き、霊的堕落を止めた
Aペリシテ人との戦いに敗北したが神の御業が起きた
奪い去られた契約の箱によって災いがもたらされた
敵は勝利したはずだったが逆に恐れの中に入れられた
契約の箱は無事イスラエルに返された (サ上6:1-7:2)
B主の助けによって回復し『エベン・エゼル』と名付けた
人々は偶像を取り除き (7:4)断食して悔い改めた (6)
サムエルが献げ物を献げると雷でペリシテ人は破れた
彼は石をすえエベン・エゼル(助けの石)と名付けた
むすび.偶像に陥り悪の中にいた人々を神は回復させた
神にとって不可能はない。どんなに堕落してしまって
荒み切ってしまっていたとしても、神は助け回復させてくださる