蝮にかまれたのに害を受けなかった
1.パウロたちはマルタ島に漂着した
パウロを乗せた船は、マルタ島を目の前にして座礁します。
ところが、深みに挟まれた浅瀬にぶつかって船を乗り上げてしまい、
船首がめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波で壊れだした。
使徒言行録 27章41節
しかし乗員は全員、無事に脱出しマルタ島に上陸することができました。
百人隊長はパウロを助けたいと思ったので、この計画を思いとどまらせた。
そして、泳げる者がまず飛び込んで陸に上がり、
残りの者は板切れや船の乗組員につかまって泳いで行くように命令した。
このようにして、全員が無事に上陸した。
使徒言行録 27章43〜44節
2.パウロはマルタ島で蝮にかまれた
ところがパウロはそのマルタ島で、まむし(蝮)に噛みつかれるのです。
パウロが一束の枯れ枝を集めて火にくべると、
一匹の蝮が熱気のために出て来て、その手に絡みついた。
使徒言行録 28章3節
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エキッドゥナ |
毒蛇、まむし
毒蛇、まむし(蝮)
引用:織田昭編 新約聖書ギリシャ語小辞典 改訂第4版
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3.パウロは蝮にかまれたのに何の害も受けなかった
しかし毒をもった蛇にかまれたにもかかわらず、パウロは何の害も受けませんでした。
普通マムシに噛まれたら、30分以内に激しい痛み、出血、腫脹などが起き
1〜2時間以内に、めまい、吐き気、発熱などが起きるといわれています。
そして、最終的に死に至ることもあるということです。
しかし不思議なことに、パウロは毒蛇にかまれていたはずなのに
何の害も、受けなかったのです。
体がはれ上がるか、あるいは急に倒れて死ぬだろうと、
彼らはパウロの様子をうかがっていた。
しかし、いつまでたっても何も起こらないのを見て、
考えを変え、「この人は神様だ」と言った。
使徒言行録 28章6節
普通なら体がはれ上がるか、あるいは急に倒れて死ぬはずだったのに
何も起こらなかったので、人々はパウロを神と勘違いしてしまう程だったのです。
パウロに対して蝮の毒は、全く効かなかったのです。
むすび.神は蝮の毒からパウロを守られた
通常なら死んでしまうはずの毒が、確実に体内に入ったはずなのに
それでも何の害を受けなかったということが、実際に起きていました。
神の守りと癒しは「毒蛇にかまれても何の害も受けない」という場合もあるのです。
神はマルタ島で、パウロを蝮の毒から守って下さったのです。
【今日の聖書】
パウロが一束の枯れ枝を集めて火にくべると、
一匹の蝮が熱気のために出て来て、その手に絡みついた。
住民は彼の手にぶら下がっているこの生き物を見て、互いに言った。
「この人はきっと人殺しにちがいない。
海では助かったが、『正義の女神』はこの人を生かしておかないのだ。」
ところが、パウロはその生き物を火の中に振り落とし、何の害も受けなかった。
使徒言行録 28章3〜5節