世は彼らにふさわしくなかった
旧約聖書の人物を見ると、特に預言者と言われている人たちは
過酷な人生を送っています。
人々の罪を指摘する言葉を神から受け取って、ダイレクトに語ったゆえに苦しめられたのです。
1.エリヤはアハブ王に命を狙われた
預言者エリヤは、アハブ王の手を逃れてケリト川のそばに身を隠します。
命を狙われた結果町に住むことはできず、誰も訪ねてくることのないケリト川のそばで
たったひとりで、孤独に身を潜めて暮らしたのです。
エリヤは主が言われたように直ちに行動し、
ヨルダンの東にあるケリトの川のほとりに行き、そこにとどまった。
列王紀上 17章5節
2.ダニエルはライオンの穴に投げ込まれた
ダニエルは、ライオンの穴に投げ込まれています。
それで王は命令を下し、ダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれることになって
引き出された。王は彼に言った。
「お前がいつも拝んでいる神がお前を救ってくださるように。」
ダニエル書 6章17節
3.エレミヤは、水溜の中の泥の中に沈められた
エレミヤは、水溜の中の泥の中に沈められています。
そこで、役人たちはエレミヤを捕らえ、
監視の庭にある王子マルキヤの水溜めへ綱でつり降ろした。
水溜めには水がなく泥がたまっていたので、エレミヤは泥の中に沈んだ。
エレミヤ書 38章6節
むすび.悪の蔓延る世の中は神に従う人にとってふさわしくない
なぜ、これ程までに過酷な人生を送らなければならなかったのでしょうか?
「世は彼らにふさわしくなかったのです。」とヘブライ人への手紙で説明されています。
世は彼らにふさわしくなかったのです。
ヘブライ人への手紙 11章38節(後半)
神に従うということは、悪から離れ聖なる生き方をすることです。
しかし世の中は、悪がはびこり汚れに満ちています。
もし、悪が蔓延り汚れに満ちた世の中でうまくやっているとしたらどうなるでしょうか?
例えば、弱い者いじめをするいじめっ子グループの中で、うまくやっているとするなら
それは自分も、いじめる側の立派な一員になってしまっているわけです。
いじめっ子グループの中で正義を貫こうとするなら、自分もいじめられることになるでしょう。
悪が蔓延り汚れに満ちた世の中で、うまくやっているとしたら、
自分自身も、悪に染まった生き方をしてしまっているはずなのです。
そうでないと、うまくやっていけるはずがないのです。
だから神に従った人々は、悪の世の中で過酷な人生を送ることになってしまったのです。
確かに世は、彼らにふさわしくなかったのです。
【今日の聖書】
また、他の人たちはあざけられ、鞭打たれ、
鎖につながれ、投獄されるという目に遭いました。
彼らは石で打ち殺され、のこぎりで引かれ、
剣で切り殺され、羊の皮や山羊の皮を着て放浪し、
暮らしに事欠き、苦しめられ、虐待され、
荒れ野、山、岩穴、地の割れ目をさまよい歩きました。
世は彼らにふさわしくなかったのです。
ヘブライ人への手紙 11章36〜38節