剣はとこしえにあなたの家から去らない
1.ダビデが犯した罪は、神がナタンを通して明らかにした
ダビデは、ウリヤの妻との間の姦淫の罪を隠蔽しようとして
ウリヤを敵の手によって、戦死させてしまいますが、
預言者ナタンを通して、「ウリヤを殺したのはあなただ」と指摘されます。
なぜ主の言葉を侮り、
わたしの意に背くことをしたのか。
あなたはヘト人ウリヤを剣にかけ、
その妻を奪って自分の妻とした。
ウリヤをアンモン人の剣で殺したのはあなただ。
サムエル記下 12章9節
2.ダビデの罪の結果、神から「剣が家から去らない」と言われた
そして、神からの裁きの言葉を受けてしまうのです。
それゆえ、剣はとこしえにあなたの家から去らないであろう。
あなたがわたしを侮り、ヘト人ウリヤの妻を奪って自分の妻としたからだ。』
サムエル記下 12章10節
「剣が、生涯にわたってダビデ家から去らない」というのです。
要するに、ダビデ家の中で剣による争いが絶えないということです。
剣による争いは、すなわち殺し合いを意味します。
3.神の言われた通りになった
そしてそれ以降、神の言われた通りのことが次々と起こっていきます。
3.1 三男アブサロムが、長男アムノンを剣で殺した
妹タマルを長男アムノンに辱められた三男アブサロムが、アムノンを剣で殺します。
従者たちは、アブサロムの命令どおりアムノンに襲いかかった。
王子は全員立ってそれぞれのらばに乗り、逃げ出した。
サムエル記下 13章29節
3.2 アブサロムが、ダビデを殺そうとし逆に剣で殺された
さらに、そのアブサロムがダビデの命を狙って戦いを挑んでくるのです。
イスラエル人の心はアブサロムに移っているという知らせが、ダビデに届いた。
ダビデは、自分と共にエルサレムにいる家臣全員に言った。
「直ちに逃れよう。アブサロムを避けられなくなってはいけない。
我々が急がなければ、アブサロムがすぐに我々に追いつき、
危害を与え、この都を剣にかけるだろう。」
サムエル記下 15章13〜14節
ダビデは、実にその息子に命を狙われてしまうのです。
そしてアブサロムは、ダビデの家臣ヨアブと従卒の手によって
剣によって、刺し殺されてしまいます。
「それなら、お前に期待はしない」とヨアブは言った。
アブサロムは樫の木にひっかかったまま、まだ生きていた。
ヨアブは棒を三本手に取り、アブサロムの心臓に突き刺した。
ヨアブの武器を持つ従卒十人が取り囲んでアブサロムを打ち、とどめを刺した。
サムエル記下 18章14〜15節
3.3 四男アドニヤも王となろうとした
ハギトの子アドニヤは思い上がって、
「わたしが王になる」と言い、戦車と馬と五十人の護衛兵をそろえた。
列王紀上 1章5節
ソロモンが、次期王になることに決まっていたのにもかかわらず
アドニヤが、王になろうとしてしまうのです。
ダビデの死後、ソロモン王が即位した後アドニヤも殺されてしまいます。
ソロモン王はヨヤダの子ベナヤを送ってアドニヤを討たせたので、
アドニヤは死んだ。
列王紀上 2章25節
むすび.ダビデの姦淫と殺人の罪の結果ダビデ家に剣による争いが続いた
ダビデの姦淫と殺人の罪は、ダビデの悔い改めによって神に赦されました。
ダビデは、神に裁かれて死んでしまったわけではありません。
ダビデの、王の位もそのままでした。
しかしダビデ家に、剣が絶えなくなってしまったのです。
ダビデ家の中で剣による争いが、次から次へと起こっていったのです。
剣によって長男アムノンが死に、三男アブサロムが死んでしまいました。
更にその後も、ソロモンが王になろうとしていた時
アドニヤが王となろうとして、ソロモン王に殺されてしまいます。
ダビデの犯した罪は赦されたのですが、罪の結果恐ろしい争いが家の中に続いたのです。
軽々しく罪を犯してはならないということを、教えられます。
罪はゆるされても、罪の結果を刈り取らなければならなくなってしまうからです。
ダビデは、大変な苦しみをしています。
その点において、ダビデは私たちに対する反面教師となっています。
ダビデの二の舞にならないように、罪にはよくよく警戒していきたいと願います。
罪の結果は、悲惨なことになってしまうのです。
【今日の聖書】
それゆえ、剣はとこしえにあなたの家から去らないであろう。
あなたがわたしを侮り、
ヘト人ウリヤの妻を奪って自分の妻としたからだ。』
サムエル記下 12章10節