今日のできごと


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2022/11/17(木)

 

息子たちにだまされたヤコブ

1.ヤコブとラケルとの間にも子供が誕生した

 ヤコブとラケルの間に、待望の子がやっと生まれます。
 その子を、ヨセフと名付けました。

 しかし、神はラケルも御心に留め、彼女の願いを聞き入れその胎を開かれたので、
 ラケルは身ごもって男の子を産んだ。
 そのときラケルは、「神がわたしの恥をすすいでくださった」と言った。
 彼女は、「主がわたしにもう一人男の子を加えてくださいますように(ヨセフ)」
 と願っていたので、その子をヨセフと名付けた。
 創世記 30章22〜24節

増加
ヤサフ

加える

加える、増加する、再び〜する
to add, increase, do again
ヨセフ
イェホセフ

ヨセフ

主は加えられた
Jehovah has added

 その後ラケルには、ベニヤミンも生まれるのですが
 ベニヤミンの出産時に、ラケルは死んでしまいます。

 ラケルが最後の息を引き取ろうとするとき、その子を
 ベン・オニ(わたしの苦しみの子)と名付けたが、
 父はこれをベニヤミン(幸いの子)と呼んだ。
 ラケルは死んで、エフラタ、すなわち今日のベツレヘムへ向かう道の傍らに葬られた。
 創世記 35章18〜19節

ベノニ
ベン・オニ

ベン・オニ 苦しみの子

son of my sorrow
ベニヤミン
ビンヤミン

ベニヤミン 幸いの子

son of the right hand

 ベニヤミンは、母を知らずに育っていくことになります。
 誰かが乳をあげなければ生きていけないので、乳母はいたことでしょう。
 けれども実の母親を知らずに、育っていくのです。

 ヨセフにとっては、若くして(幼くして)母を亡くすという悲しみを
 体験することに、なってしまっています。
 母ラケルを失ったヨセフを可哀そうに思って、ヤコブの偏愛が進んだのかもしれません。

2.ヤコブはヨセフだけを溺愛した

 ヤコブは、ラケルの子ヨセフを年寄り子であったため誰よりもかわいがりました。
 溺愛してしまったのです。

 イスラエルは、ヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、
 彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。
 創世記 37章3節

 ヤコブ自身も、母リベカから偏愛されて育ちますが
 ヤコブもまた、息子ヨセフを偏愛してしまうのです。
 親からされたことを、子もまたしてしまうという例にもなっています。

 これが、ヨセフの異母兄たちの妬みを買うことになってしまうのです。

 兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、
 穏やかに話すこともできなかった。
 創世記 37章4節

 ヤコブがヨセフを偏愛したため、ヨセフは兄たちに妬まれ憎まれることになってしまったわけです。
 ヤコブの偏愛は、ヨセフにとっては不幸を招く結果になっていたのです。
 結局ヨセフは、兄たちによって売られてしまいます。

3.異母兄たちはヨセフを売り飛ばしてしまった

 異母兄たちはドタンで羊を飼っていた時、そこにやって来たヨセフを見て
 「ヨセフを殺してしまおう」と、たくらみます。

 ヨセフは兄たちの後を追って行き、ドタンで一行を見つけた。
 兄たちは、はるか遠くの方にヨセフの姿を認めると、
 まだ近づいて来ないうちに、ヨセフを殺してしまおうとたくらみ、
 創世記 37章17(後半)〜18節

 けれどもユダは、ヨセフを殺してはならないと考えて「殺さずに売り飛ばそう」と語ります。

 それより、あのイシュマエル人に売ろうではないか。
 弟に手をかけるのはよそう。あれだって、肉親の弟だから。」
 兄弟たちは、これを聞き入れた。
 創世記 37章27節

 そして兄たちは、ヨセフを売ってしまうのです。
 後に兄たちと再会した時、ヨセフは次のように語っています。
 「わたしはあなたがたの弟ヨセフです。あなたがたがエジプトに売った者です。」

 ヨセフは兄弟たちに言った、「わたしに近寄ってください」。
 彼らが近寄ったので彼は言った、
 「わたしはあなたがたの弟ヨセフです。あなたがたがエジプトに売った者です。
 創世記 45章4節

 確かにヨセフは、兄たちによって売り飛ばされているのです。

4.兄たちはヨセフの服を血に浸し父をだました

 兄たちはそれをごまかすために、ヨセフの着物を獣の血に浸しました。

 兄弟たちはヨセフの着物を拾い上げ、雄山羊を殺してその血に着物を浸した。
 創世記 37章31節

 そしてそれを、父ヤコブの元に送り届けたのです。

 彼らはそれから、裾の長い晴れ着を父のもとへ送り届け、
 「これを見つけましたが、あなたの息子の着物かどうか、お調べになってください」
 と言わせた。
 創世記 37章32節

 父ヤコブはそれを見て、だまされてしまいます。

 父は、それを調べて言った。
 「あの子の着物だ。野獣に食われたのだ。
  ああ、ヨセフはかみ裂かれてしまったのだ。」
 ヤコブは自分の衣を引き裂き、粗布を腰にまとい、幾日もその子のために嘆き悲しんだ。
 創世記 37章33〜34節

むすび.だまされたヤコブは悲しみのどん底に落ち込んだ

 ヤコブは父イサクをだまして、祝福を奪い取りましたが
 その後、伯父ラバンにだまされてレアをめとらされてしまい、
 今度は息子たちに、「ヨセフが獣に殺された」かのようにだまされてしまうのです。

 父をだましたヤコブは、義父にだまされ息子たちにもだまされてしまったのです。
 自分がしたように、人からもされてしまっているのです。
 しかも一番身近な、家族からです。

 父をだましたヤコブは、その後「だまされることの辛さ、ひどさ、悲しみ」を
 身をもって体験しています。
 一度ならず繰り返し、ひどいだまされ方をしているのです。

 人をだますことは、その人を大きな悲しみの中に投げ込みます。
 隣人を、だましてはなりません。
 隣人は、自分のように愛すべき存在なのです。

 【今日の聖書】
 復讐してはならない。
 民の人々に恨みを抱いてはならない。
 自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。
 わたしは主である。
 レビ記 19章18節


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