地域牧師早天祈祷会
今日は、地域牧師早天祈祷会が開かれました。
「なぜアロンは、あんなにすんなりと金の雄牛の像を作ってしまったのか？」
ということを見ていきました。
１．アロンはモーセと共に民を指導してきた人物だった
そもそもアロンは、モーセと共にリーダーシップをとって
イスラエルの民を、エジプトから脱出させた人物でした。
主がモーセに語られた言葉を、モーセに代わってファラオに語っていたのです。
何度も何度もファラオに反発されるのですが、それでもなお語り続け
最終的に、主のご計画の通りにイスラエルをエジプトから脱出させ
さらには、葦の海において主が海を分けて下さる奇蹟を見ているのです。
アロンは、モーセと共に主に用いられ
素晴らしい働きをしてきた、人物だったのです。
民のリーダーとして、モーセを助けるために主に選ばれ用いられていたのです。
２．アロンは民に言われるままあっさりと金で牛の像を作ってしまった
ところがそのアロンが、モーセが山に登って主の言葉を聴いていた時に
民に言われるままに、いともあっさりと金で若い雄牛の鋳像を造ってしまうのです。
アロンは民に向かって「それはダメだ！」とも、「神は偶像などではない！」とも語っていません。
民に「私たちに先立って行く神を、私たちのために造ってください」と要求された時に
その言葉をそのまま受け取って、非難することもとがめることもなく従ってしまっているのです。
民はモーセが山を下ることのおそいのを見て、アロンのもとに集まって彼に言った、
「さあ、わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。
わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセはどうなったのかわからないからです」。
アロンは彼らに言った、
「あなたがたの妻、むすこ、娘らの金の耳輪をはずしてわたしに持ってきなさい」。
出エジプト記 ３２章１〜２節
民から金の耳輪を集めて、それを鋳造して金の雄牛の像を作ってしまったのです。
その像を見て民は、言いました。
「これこそあなたをエジプトの国から導き上ったあなたの神々だ」
アロンは神の代わりに、偶像の神を作って民に与えてしまったのです。
神と偶像を、すり替えてしまったのです。
モーセと共に、ファラオの前でも力強く主の働きをしていたそのアロンが大罪を犯しているのです。
３．アロンの弱点「極めて受動的で人の言いなり」
モーセと共にリーダーシップを取っていたアロンは、モーセの言葉を取り次いでいました。
主の語りかけを直接聞いていたのは、モーセでした。
アロンが直接、主の語りかけを聴いていたわけではありませんでした。
アロンはモーセが言った通りの言葉を、自分の口で語っていたのです。
極めて従順な働きでした。自分の意見も主観も一切含ませることなく
そのまま言われた通りの言葉を、語っていたわけです。
アロンの従順さが、実によくわかるのですが
逆にここがアロンにとって、弱点にもなっているのです。
極めて従順であるということは、逆に言えば極めて受動的ということになります。
民の悪い言葉にも従順に従ってしまい、民の要求するままに動いてしまったのです。
受動的態度です。そこに彼の意見は、一切出てこないのです。
モーセがそこにいなかった時、彼は今度は民の言葉に従順に従ってしまったのです。
むすび．主には従順に従うが、悪は賢く退けて遠ざけてゆく
私たちは、主に対しては従順な心を持つことが必要です。
けれどもその従順さを、悪に向けて表してしまってはならないのです。
せっかくよく耕された畑でも、雑草を元気に育ててしまったら作物は育ちません。
耕された畑には、作物の種だけをまいて雑草は抜き去らなければならないのです。
私たちは、悪に対しては決して従順さを示してはなりません。
悪に対しては、賢く憎み退けることが必要です。
愛には偽りがあってはならない。
悪は憎み退け、善には親しみ結び、
ローマの信徒への手紙 １２章９節
【今日の聖書】
モーセが山からなかなか下りて来ないのを見て、民がアロンのもとに集まって来て、
「さあ、我々に先立って進む神々を造ってください。
エジプトの国から我々を導き上った人、
あのモーセがどうなってしまったのか分からないからです」
と言うと、アロンは彼らに言った。
「あなたたちの妻、息子、娘らが着けている金の耳輪をはずし、
わたしのところに持って来なさい。」
民は全員、着けていた金の耳輪をはずし、アロンのところに持って来た。
彼はそれを受け取ると、のみで型を作り、若い雄牛の鋳像を造った。
すると彼らは、
「イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上ったあなたの神々だ」
と言った。
出エジプト記 ３２章１〜４節
