今日のできごと


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2018/3/10(土)



東日本大震災の当日の話

 今から7年前の3月11日、私は福島県いわき市にいました。
 ちょうど、いわき市内牧師交流会の送別会が、
 グローバル・ミッション・チャペルで開かれていました。

 牧師を辞められて、岩手県に転居される先生のために
 昼食を共にした送別会を、そこで行っていました。
 送別会が終わった後、ほとんどの先生方が帰って行かれました。

 私は食事の後片付けで、台所で食器を洗っていました。
 洗い終わってすぐに、地震が発生しました。
 揺れが激しいのでひとりの子に、机の下に入るように叫びました。

 そこにいたその子の両親と、私と会場教会の牧師夫人と
 合計5人で机の下に潜り込み、揺れがおさまるのを待ちました。
 「やれやれおさまってきたかな」と思うと、再び激しい揺れが襲ってきました。

 食器棚は傾き、食器がガチャンガチャンと落ちる音がしていました。
 今までの大地震は、これで天井が落ちてくるんだろうなあと
 思いつつ、みんなで「主よー主よー」と叫びながらおさまるのを待ちました。

 「やれやれおさまってきたかな」と思うと、再び激しい揺れが襲ってきました。
 これで3回目です。初めの激しい揺れと合わせて、
 時間差で3回の激しい揺れがありました。

 その揺れがおさまって初めて、机の下から出てきて
 これはすぐに帰らなければと思い、その場を後にして駐車場に行きました。
 ところが、車に乗って動かそうとしたら余震です。

 外を見ると電線がゆっさゆっさ揺れているのがわかりました。
 また、建物から多くの人々が外に出て不安そうに立っていました。
 しばらく様子を見て、大丈夫そうでしたので車を出しました。

 道を走ると、新川にかかる橋のたもとで人が立っているのが見えました。
 何か注意を促しておられるようで、よく見ると橋と地面がずれていました。
 段差になっていましたが、ゆっくり行けば乗り越えられそうでした。

 そこを何とか乗り越え、片側二車線の道路を走り県道26号線に向かいました。
 途中、塀が崩れていたりするのが見えました。26号線に入ると
 今度は通称「眼鏡トンネル」に近づきました。

 地震直後のトンネルは通りたくなかったですが、思い切って通り抜けると
 あとはそのまま、自宅兼教会のある中央台鹿島3丁目迄走りました。
 教会につくと、家族が不安そうに駐車場で立っているのが見え安心しました。

 その後、家の中に入るたびに余震があるので
 仕方なく、車の中でしばらく様子を見ることにしました。
 するとまもなく、あられのような白い丸い粒が降ってきました。

 季節的に雪が降るには珍しい時期でしたが、あまり気にも留めずに
 降るのを見ながら、車でラジオを聞いていました。
 家に入ったのは、もう暗くなってからでした。

 電気は停電せず大丈夫でしたが、ガスはプロパンでしたので
 素人には、使えるかどうか安全なのかは判断できませんでした。
 水道は、その日は出ていましたので、貯め込みました。

 ポット2本、やかん2つ分、飲料水用20リットルタンク、風呂桶など
 に汲めるだけくんでおきました。
 その翌日から、断水になりました。

 震災当日は、固定電話と携帯電話とインターネットのいずれもが
 使えなくなりました。
 復旧は案外早く、携帯電話以外は、翌朝には復旧しました。

 震災後、何と言っても困ったのは水でした。
 震災翌日から、1か月近く断水になり、その後の4月11日の余震で
 更にまた断水になりました。

 水が出ないので、皿が洗えず、トイレで普通に水が流せず、
 基本的に、水がないと生活が成り立たないということが
 身に染みてわかりました。

 ガスがなくても、電気が来なくても命に別状はありませんが
 水がないというのは、致命的です。
 1日水なしで生活するというのは、非常に困難だといえます。
 
 私達が主に使っていたのは、カセットコンロと
 水がいらないタジン鍋でした。
 タジン鍋は災害に強いことが、よくわかりました。

 震災当日から、風呂に入れない生活が始まりました。
 水がないと風呂だけでなく、トイレが大変でした。
 風呂に溜めた水をバケツに汲んで流していたと思います。

 3月16日以降3月26日まで、関東に一時的に避難させていただき
 水のある生活をさせて頂いたのですが、
 蛇口から水が出ることに、感動を覚えました。

 後にも先にも、蛇口から水が出るだけで感動したのはあの時だけです。
 それ以来、屋内に飲料水は常時置いておくようになりました。
 また、外出時も、必ず水を持っていくことが習慣になっています。

 【今日の聖書】
 また、わたしに言われた。
 「事は成就した。
  わたしはアルファであり、オメガである。
  初めであり、終わりである。
  渇いている者には、命の水の泉から価なしに飲ませよう。
   ヨハネの黙示録 21章6節


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