4:8 そのとき、ペテロは聖霊に満たされて、彼らに言った。「民の指導者たち、ならびに長老の方々。

4:9 私たちがきょう取り調べられているのが、病人に行なった良いわざについてであり、その人が何によっていやされたか、ということのためであるなら、

4:10 皆さんも、またイスラエルのすべての人々も、よく知ってください。この人が直って、あなたがたの前に立っているのは、あなたがたが十字架につけ、神が死者の中からよみがえらせたナザレ人イエス・キリストの御名によるのです。

4:11 『あなたがた家を建てる者たちに捨てられた石が、礎の石となった。』というのはこの方のことです。

4:12 この方以外には、だれによっても救いはありません。世界中でこの御名のほかには、私たちが救われるべき名としては、どのような名も、人間に与えられていないからです。」

4:13 彼らはペテロとヨハネとの大胆さを見、またふたりが無学な、普通の人であるのを知って驚いたが、ふたりがイエスとともにいたのだ、ということがわかって来た。

4:14 そればかりでなく、いやされた人がふたりといっしょに立っているのを見ては、返すことばもなかった。

4:15 彼らはふたりに議会から退場するように命じ、そして互いに協議した。

4:16 彼らは言った。「あの人たちをどうしよう。あの人たちによって著しいしるしが行なわれたことは、エルサレムの住民全部に知れ渡っているから、われわれはそれを否定できない。

4:17 しかし、これ以上民の間に広がらないために、今後だれにもこの名によって語ってはならないと、彼らをきびしく戒めよう。」

4:18 そこで彼らを呼んで、いっさいイエスの名によって語ったり教えたりしてはならない、と命じた。

4:19 ペテロとヨハネは彼らに答えて言った。「神に聞き従うより、あなたがたに聞き従うほうが、神の前に正しいかどうか、判断してください。

4:20 私たちは、自分の見たこと、また聞いたことを、話さないわけにはいきません。」

4:21 そこで、彼らはふたりをさらにおどしたうえで、釈放した。それはみなの者が、この出来事のゆえに神をあがめていたので、人々の手前、ふたりを罰するすべがなかったからである。

4:22 この奇蹟によっていやされた男は四十歳余りであった。

20181028.)

聖書箇所 使徒の働き4822

 『イエス・キリストの名によること』

■序論: 「美しの門」にいた男性が癒やされた後(3章)、ペテロとヨハネは、その出来事について問われることになりました。「何の権威によって、誰の名によってしたのか」(7節)と尋問されました。彼らは、聖霊の力によって、力強く自分たちの信仰について証言しました。

 

■本論

ペテロの応え

1、イエス・キリストの御名による(10-11節)

 癒やされた時に言ったことと同じことばをペテロは答えました。神が死者の中からよみがえらせたナザレ人「イエス・キリストの御名によって」癒やされた、と。御復活の主は、人を完全にいやす力と権威を持っておられます。

2、この方以外に救いはない(12)

イエス・キリストの名以外には、だれによっても救いはありません。救いは、神の恵みによって人が罪の刑罰を免れ、神との正しい関係を回復し、永遠のいのちが与えられることです。そのために神と人との仲介者となった罪のない御方の名前以外に、たましいを救う名はありません。

 

ペテロの信仰

1、 聖霊によって

ペテロは聖霊に満たされて話しました(8節)。それは、イエスの名を信じていない人にとっても明らかでした(13節)。また、いやされた人がその隣にいたので、誰も何もいうことができませんでした。聖霊に満たされたペテロ、いやされた人が主の証人でした。

2、 神の前に

その後、ペテロとヨハネは、いっさいイエスの名によって語ってはならない、と命じられました(18節)。しかし、そのことばに従うことはありませんでした。迫害され、脅され、尻込みしてしまうような状態でも、主に従うこと、主の証人として事実を伝えていくことに恐れはありませんでした。

 

■結語 ペテロはイエス・キリストの証人として大胆に証言しました。神と共に歩む人、聖霊に満たされた人は用いられ、語るべきことばが与えられます。そして、人に従うのではなく、神に従う器となることができます。