聖書箇所 詩篇8篇1~9節
8:1 私たちの主、主よ。
あなたの御名は全地にわたり、
なんと力強いことでしょう。
あなたはご威光を天に置かれました。

8:2 あなたは幼子と乳飲み子たちの口によって、
力を打ち建てられました。
それは、あなたに敵対する者のため
、敵と復讐する者とをしずめるためでした。

8:3 あなたの指のわざである天を見、
あなたが整えられた月や星を見ますのに、
8:4 人とは、何者なのでしょう。
あなたがこれを心に留められるとは。
人の子とは、何者なのでしょう。
あなたがこれを顧みられるとは。

8:5 あなたは、人を、神よりいくらか劣るものとし、
これに栄光と誉れの冠をかぶらせました。

8:6 あなたの御手の多くのわざを人に治めさせ、
万物を彼の足の下に置かれました。

8:7 すべて、羊も牛も、また、野の獣も、

8:8 空の鳥、海の魚、海路を通うものも。

8:9 私たちの主、主よ。
あなたの御名は全地にわたり、
なんと力強いことでしょう。

本日の講壇2017115

聖書箇所 詩篇8篇1~9節

説教題 『全地を治める神』

■序論

阪神大震災から22年、東日本大震災から6年、熊本大震災から9か月を迎える。全地を治める神に思いを向け、被災地の復興のために課題を祈ろう。

 

1、全地にわたる神の御名(1~2節)

天地万物を創造主である神の御名はあまねく全地にわたることを詩人は歌っている。神は人間を特別に愛し、人間はことばを通して神様を賛美し、信仰を告白することができる霊的な存在として創造されている。一方、神の存在を認めず、神に敵対する者は、神の栄光ではなく、自分の栄光を求める。しかし、それは神が人間を創造した本来の目的に反する生き方である。私達は偉大な神の被造物として、この世界に生かされている。神を知ることは私達の人生に確かな希望を与える。私達を通して創造主なる神の御名を賛美し、広げよう。

 

2、地の管理を委ねられた人間(3~8節)

天地を創造した神が一人一人の人間のことを顧みて下さるとは何と大きな愛だろうか。私達の理解をはるかに超越している神は、同時に私達に内在して下さるお方である。キリスト教世界観のスタートは、神、世界、私の順である。もし、私を先に置き、世界と神を見下ろしていては、自分自身の狭い範疇でしか神を捉えることはできない。しかし、神はアダム以来、全人類にこの世界の管理を任せておられる。管理者は自分のことだけ考えていては務まらない。神が私達に与えて下さっている賜物を世界と隣人に仕えるために用いよう。

 

3、被災地でも今生きておられる神(9節)

詩人の賛美(19節)は単なる繰り返しではなく、神への信頼をより深めた告白である。当教会は22年前の大震災では旧会堂が倒壊したが、神の恵みにより、新会堂を献堂して20年を迎える。ただ同じ場所で神を礼拝しているだけではなく、神への信仰はより深くなっている。それは、試練を乗り越えたからである。イエス様は挫折や痛みを経験する者の信仰がなくならないように執り成して祈って下さる(ルカ2232。その祈りに支えられ、神の恵みを経験した私達は、今度は同じように試練を通る人達のために祈り、励ます者となろう。

 

■結論

被災地は今も復興に向けて道半ばにある。そこにも神様は生きて働いておられる。被災地の人達が神との絆をより深め、希望を持って歩めるように祈ろう。