本日の講壇

 

聖書箇所 ナホム書3章119

説教題  『我がとりでなる神』

■序論

神は裁きや滅びを目的とせず、民が悔い改め、赦しと回復と希望を与えようとしておられる。神を信じ、従う者には、とりでとなって助けて下さることを信じよう。

 

1.ニネベは滅びた(17節)

「ああ」(1節)ニネベに対する宣告は不吉な嘆きによって最終章に入る。「流血の町ニネベ」は敵や捕虜に対して残虐な扱いをしてきた。しかし、今度はニネベに敵が迫り2節)、敗北する姿が描写されている3節)。そして、暴虐な行いとともに偶像礼拝による淫行を繰り返してきたニネベが、辱められる遊女にたとえられている47節)。神の前に罪を悔い改めない者に対する裁きは恐ろしく厳しい。ただ、ニネベは自らの行いを刈り取ることになったが、ニネベを滅ぼした者らもまた裁きを受け滅んだ。神は人が人を裁くことを許しておられないことを覚えよう(マタイ712

 

2、傷は癒されない(819節)

「ノ・アモン」(テーベ)とは上エジプトの首都である。エジプトは同盟国クシュ(エチオピア)から強力な支援を受けていたが、難攻不落といわれたノ・アモンも陥落したBC662年)。しかもそれを滅ぼしたのはアッシリヤだった。その約半世紀50年後にはニネベが陥落したBC612年)。ニネベの最後のあがきも虚しく、町は火で焼き尽くされた1417節)。ニネベは数世紀後まで、所在地不明となるほどに崩壊したが、周辺諸国は同情せず、皮肉にも喜ぶ姿が、その傷の深さを物語っている1819節)ニネベに対する宣告を通して、罪を悔い改めない者の結末を我が身の教訓としよう。

 

3、そこにある助け(詩篇4613節)

神を恐れない人生と神に頼る人生は全く対極にある。コラの子たちの賛美を通して、たとえ四面楚歌のような状況でも、神は、神を信じ従う者を助け、守るお方であることが歌われている。神は、神に信頼する者を、罪人と一緒に滅ぼすことをしない。たたえ信じる者が少雨であっても、神はとりでとなって、彼らを守るお方である。罪と暴虐を行う者が神の裁きを受けることは、神を恐れる者にとって慰めとなる。少数民族であるイスラエルを通してそのことが証されている。今の時代も、罪を悔い改め、神の民とされた者は、神の助けを経験できることを希望としよう。

 

■結論

Ⅰペテロ121 神の助けと救いは神が遣わされた御子イエス・キリストにこそある。神を信頼する者に、神はどんな時にも「我がとりで」となって下さることを信じよう。

聖書箇所 ナホム書3章119
3:1 ああ。流血の町。虚偽に満ち、略奪を事とし、強奪をやめない。

3:2 むちの音。車輪の響き。駆ける馬。飛び走る戦車。

3:3 突進する騎兵。剣のきらめき。槍のひらめき。
おびただしい戦死者。山なすしかばね。数えきれない死体。
死体に人はつまずく。

3:4 これは、すぐれて麗しい遊女、呪術を行なう女の多くの淫行によるものだ。
彼女はその淫行によって国々を、その魅力によって諸部族を売った。

3:5 見よ。わたしはあなたに立ち向かう。
――万軍の主の御告げ。――
わたしはあなたのすそを顔の上までまくり上げ、あなたの裸を諸国の民に見せ、あなたの恥を諸王国に見せる。

3:6 わたしはあなたに汚物をかけ、あなたをはずかしめ、
あなたを見せものとする。

3:7 あなたを見る者はみな、あなたから逃げて言う。「ニネベは滅びた。」と。
だれが彼女を慰めよう。あなたのために悔やむ者を、どこにわたしは捜そうか。

3:8 あなたは、ナイル川のほとりにあるノ・アモンよりもすぐれているか。
水がこれを取り囲む。その塁は海、その城壁は水。

3:9 クシュとエジプトはその力。それは限りがない。
プテ人、ルブ人もその助け手。

3:10 しかし、これもまた、捕囚となり、とりことなって行き、その幼子たちもあらゆる町かどで八裂にされ、その高貴な人たちもくじ引きにされ、そのおもだった者たちもみな、鎖につながれた。

3:11 あなたも酔いしれて身を隠し、敵から逃げてとりでを捜し求めよう。

3:12 あなたのすべての要塞は、初なりのいちじくを持ついちじくの木。
それをゆさぶると、食べる者の口に落ちる。

3:13 見よ。あなたの兵士は、あなたの中にいる女だ。あなたの国のもろもろの門は、敵のために広くあけ放たれ、火はあなたのかんぬきを焼き尽くす。

3:14 包囲の日のための水を汲み、要塞を強固にせよ。泥の中にはいり、粘土を踏みつけ、れんがの型を取っておけ。

3:15 その時、火はあなたを焼き尽くし、剣はあなたを切り倒し、
火はばったのようにあなたを焼き尽くす。あなたは、ばったのように数を増し、
いなごのようにふえよ。

3:16 あなたの商人を天の星より多くしても、ばったがこれを襲って飛び去る。

3:17 あなたの衛兵は、いなごのように、あなたの役人たちは、
群がるいなごのように、寒い日には城壁の上でたむろし、日が出ると飛び去り、
だれも、どこへ行くか行く先を知らない。

3:18 アッシリヤの王よ。あなたの牧者たちは眠り、
あなたの貴人たちは寝込んでいる。
あなたの民は山々の上に散らされ、だれも集める者はいない。

3:19 あなたの傷は、いやされない。
あなたの打ち傷は、いやしがたい。
あなたのうわさを聞く者はみな、あなたに向かって手をたたく。だれもかれも、あなたに絶えずいじめられていたからだ。