「あなたへの礼拝メッセージ」       

              「希望を与える預言者
                            
                            ヨエル1:1~20

「 かみつくいなごが残した物は、いなごが食い、いなごが残した物は、ばったが食い、ばったが残した物は、食い荒らすいなごが食った。」4

 ヨエルは大群のイナゴによって国が滅ばされると予言しました。彼は自分の国を愛するが故に人々に悔い改めを叫んだのです。もしもこんな大変な事が事が自分に起こったら私達はどうしたらいいのでしょうか。今月は預言者ヨエルの書を勉強します。

「ヨエル」という名前は、ヘブライ語で「主は神なり」という意味で、ヨエル書のキーワードは「イナゴ」です。神さまのめぐみを受けながら、神さまから遠く離れてしまった、

 ユダ王国の民を神さまとのよい関係に戻させようとされる神さまの愛の働きを考えてみようと思います。(祈り)

 ヨエル(主は神なり)はペトエルの子とあるだけで、旧約聖書のどこにも彼について記されていない為、どういう人か知ることは難しいです。

 ただ、推察できることは、神殿をいつも見るエルサレムの住人であり、ユダ王国の預言者であった事は明らかです。

 彼が活動した時代は、ウジヤ王の時代(BC783~742年)と、ヨアシュ王の時代(およそBC837~800)等別れています。
今から約2900年ほど前です

Ⅰ、長老たちとそして・・すべてのユダの民への警告です。
ユダの民が神から離れて堕落した故に、危険が彼らの前に迫っている事を神は黙っておれません。その為、当時預言者は、主の口であり代言者であるヨエルに神はこの事を伝えます。

 彼はまず、長老と民に向かって語ります。彼らが、神さまの愛を知り、災いの事実をしっかり心に留め、対処し、これを後の時代に語り継げなさいと言います。
ここでの長老とは民の宗教的、民事的事件を処理した経験豊かな年輩の指導者を指します。

 当時の時代背景は。内には、いなごの大群がありました。ユダヤやその付近では時々、すべてのものを食い尽くす恐ろしい、考えられない程のいなごの大群が襲い来ることがあります

 一方、外には、アッシリヤやバビロンの脅威があり、と内憂外患の状態でした。以下、逐語解釈(区切り事、聖書を読んだうえ解釈する)しながら状況を考えましょう。

 ●「長老達よ。これを聞け。この地に住む者も皆、耳を貸せ。このような事があなたがたの時代に、また、あなたがたの先祖の時代にあったろうか。これをあなたがたの子ども達に伝え、子ども達はその子ども達に、その子ども達は 後の世代に伝えよ。

 ヨエルはまず、長老達と民に語ります。現実をよく見なさい!今迄にこんな事がありましたか。今何をなすべきかよく考えなさい!それから、後の世代にこの事を語り継げなさい!

 ●「 かみつくいなごが残した物は、いなごが食い、いなごが残した物は、ばったが食い、ばったが残した物は、食い荒らすいなごが食った。」国土が全滅してしまう!

 ここには「かみつくいなご」「いなご」「ばった」「食い荒らすいなご」4種類のいなごが出てきます。この場合は、いなごの種類、区別に意味があるのではなく、様々ないなごが来襲して、国土を全滅させてしまう事を詩的に表現しています。

 ●「酔っぱらいよ。目をさまして、泣け。全てぶどう酒を飲む者よ。泣きわめけ。 甘いぶどう酒が あなたがたの口から断たれたからだ。いなごにぶどうの実を食べられてしまった」
 
 いなごにぶどうの実が食べられてしまった!泣き、悲しめ!今までのように思うまま楽しめないよ!ここに出て来る、「酔っぱらい」は利己的な人間をあらわし「ぶどう酒を飲む者」はぜいたくな生活をしている人。を言うそうです。

 ●「一つの国民がわたしの国に攻め上った。力強く、数えきれない国民だ。 その歯は雄獅子の歯、それには雄獅子のきばがある。」

 「ひとつの国民」とは、いなごの来襲が外国軍の攻撃にたとえられています。

 ●7。「それはわたしのぶどうの木を荒れすたれさせ、わたしのいちじくの木を引き裂き、これをまる裸に引きむいて投げ倒し、その枝々を白くした。」

 ぶどうの木は荒らされ,いちじくの木は折られ,その皮が裸にされて,その枝は白くなる。いなごが容赦なく食いあらしてしまう様です。

 「若い時の夫のために、荒布をまとったおとめのように、泣き悲しめ。  穀物のささげ物と注ぎのぶどう酒は 主の宮から断たれ、主に仕える祭司たちは喪に服する。

 畑は荒らされ、地も喪に服する。これは穀物が荒らされ、新しいぶどう酒も干上がり、油もかれてしまうからだ


 」ユダの国民、みなに対しての語りかけです。若い夫を亡くして悲しむ乙女のように喪に服し、悲しめ!。なぜか。神のための務めができなくなるから。即ち、「穀物のささげ物」「そそぎのささげ物」。

 穀物もぶどうもいなごの来襲によって収穫ができなくなった。そして、神の為に奉仕する祭司たちは務めができなくなった。

 「農夫達よ。恥を見よ。ぶどう作り達よ。泣きわめけ。小麦と大麦の為に。 畑の刈り入れがなくなったからだ。ぶどうの木は枯れ、いちじくの木はしおれ、ざくろ、なつめやし、りんご、あらゆる野の 木々は枯れた。 人の子らから喜びが消えうせた。」

 穀物は不況、新しい酒は尽き、ざくろ、やし、りんご、野のすべての木は枯れ、牧草がないため、家畜は死滅する。国はあげて飢饉状態となり、その力は衰え疲れ果てた。
それに加えて外敵の来襲もある。しかもその背後には、裁き主である主の御手があります。

Ⅱ、祭司たちよあなた方も悲しめ

「 祭司たちよ。荒布をまとっていたみ悲しめ。祭壇に仕える者たちよ。泣きわめけ。 神に仕える者たちよ。宮に行き、荒布をまとって夜を過ごせ。

 穀物のささげ物も注ぎのぶどう酒も あなたがたの神の宮から退けられたからだ。 断食の布告をし、きよめの集会のふれを出せ。

 長老たちとこの国に住むすべての者を、あなたがたの神、主の宮に集め、主に向かって叫べ。」

 祭司達よ、この危機になすべき事は、ただ泣いて悲しむだけではいけません。信仰上の指導者として宮に行き,荒布をまとい夜を徹して祈らなければなりません。

祭司たちのなすべきもう一つの事があります。「断食の布告をし」「きよめの集会を」を持つことです。

「断食の布告」・・・断食は、人生における特別な苦痛、悲しみの時や、神に向かって、悔い改めをを求める切なる願う時に行われます。(略)